三度目のドイツ出張 Deutsches Museum その1 [ドイツ出張]
本日早朝、無事にアメリカより帰国しました。
アメリカ旅行記を早く書きはじめたいところではありますが、途中で止まっていたドイツ出張記を早く書き上げたいと思います。
そちらにもう少しお付き合いいただければと思います。
まだけっこう残っているんだよね...
私がドイツで最も行きたかった場所がここ、ドイツ博物館 (Deutsches Museum)。
世界中に博物館や美術館は数あれど、ここは理系君にとっては天国のような場所。
ドイツを中心とした工業技術の歴史が満載のこの博物館は、まじめに展示を見ていたら、軽く3日くらいはかかるくらいの広さと充実度。
ということで、覚悟を決めて開館の朝9時に入口前にスタンバイ。
ここだけで写真を700枚以上も撮ったので、どうやって紹介しようかな...
とにかく今日は収集がつかない記事になるのは間違いないので、特に目に付いたものをピックアップして紹介することにする。
それでもかなり長くなりますが、お許しください。
子供たちの集団(社会科見学か遠足かな?)も朝からたくさん。
こういう施設が理科好きの少年少女を育て、これからの技術を支えていくのだろう。
ただ展示物を並べただけではなく、その展示方法にも工夫が盛りだくさん。
例えば、こちらは最初の「ガス・オイル」のコーナーなのだが、部分的に地下フロアがあり、地上の掘削機械が地下に伸びていて、それっぽい雰囲気も含めて立体的にリアルに感じることができる。
(いちおう上の2枚の写真は地上/地下の展示を意識して並べている。)
「金属」に関する展示コーナーでは...
いろいろ触って体験できるコーナーが充実。
右手前は金属ごとの比重の違いを自分の手で持ち上げて体感できる。
その奥は分子構造の説明だったかな?
こういうのをひとつひとつまじめに見たり触ったりしていると、時間の過ぎるのはあっという間。
ということで、てきとうに横目で見ながら先を急ぐ。
工作機械の歴史。
その近くにあった昔のタイムカード用の時計。
ここでおもしろいものを発見。
No.007, J. Bond !!
ドイツに MI6 の諜報員のカードが...なんてことは、まあいいじゃない。
私の好きな内燃機関関連の展示も多数。
船舶用エンジンの巨大なピストンとコンロッド。
実は私、この部分(クロスヘッドピンという)の軸受けの潤滑が大学の卒業研究のテーマだった。
地味だなあ。
電気に関する展示は、機械屋にはよくわからない。
けど、ここはすごかった。
人工的に雷を発生する装置。
他の場所を見学中にデモンストレーションが始まったのでここへ移動したが、既にたくさんの人だかりでよく見えず。
けど、落雷時の音はすごかった。
続いて船の歴史。
昔の人はチャレンジャーだったということがよくわかる。
こんなので海に出て行ったんだもんね。
これくらいの大きさの船が造られるようになると、いよいよ大航海時代の始まり。
世界がちょっとずつ近くなっていく。
このエリアの地下には、「水面下」ということで潜水艦の展示が。
工業技術が発達すると、エネルギを消費するわけで。
そういうこともきちんと展示。
燃料となるエネルギ源を排出される CO2 の重さに置き換えてそれを体感。
その流れで、当然原子力発電には触れなければならなくて。
右は核廃棄物をドラム缶につめて処理するという模型。
ドイツは原子力発電所を廃止していくことを発表しているわけだが(まあ、フランスとかから原発電力を買ったりするのだろうが)、日本は3.11以前に戻ることを決めたようだ。
福島の悲劇は、東京に住んでいる政治家やお役人にとっては、もう忘れようということなのだろう。
「経済成長のためには不可欠」ということだが、中国は経済成長にブレーキがかかっても大気汚染問題に取り組むべきという流れに行きそうになっている。あの中国がだよ。
それを多くの日本人は当然そうすべき流れだと思って傍からみている。
原発だって廃棄物の処理問題とかまったく決まってないので似たような状況だと思うのだが、近隣諸国の公害を出す国には経済成長よりも環境問題に取り組むべきと考えて、自国は経済成長を優先させるべきと考えて。
サスティナブルな美しい国は、夢のまた夢か。
次に紹介するのは航空機技術なんだけど...
とにかく展示が詳しくて歴史もしっかり紹介されているので、航空機技術もこんなところまでさかのぼって話が始まる。
この人は、小さな船で大海原に出て行った人よりもはるかにチャレンジャー。
航空機の父、リリエンタール。
亡くなったのも飛行実験中の失敗による墜落で。
動力を使って初めて飛行したライト兄弟の飛行機も。
戦闘機とかの小型の飛行機は実機が展示してあるので、間近で見ると大迫力。
私が行ったときは、レオナルド・ダ・ヴィンチの特別展が開催されていた。
絵画や工学、等々、あらゆる分野に多くの功績を残した天才は、もちろんドイツ博物館の展示では工学者として取り扱われていた。
有名なヘリコプターのスケッチから作られた模型もあった。
宇宙関連の展示は、かなりスケールのでかいものが多い。
これは、ロケットのブースターのひとつ、かな?
月面観測用の車両やら、
建物を何フロアも突き抜けて展示されたロケットとか、
人工衛星やら、地球の外へと向かっていった技術の歴史もよくわかる。
昼メシも食べずに(その分、朝にたらふく食べてたからね)閉館の17時までじっくりたっぷり見学する気でいたのだが、昼過ぎたこの頃から、あまりの展示物の多さにだんだんと疲れてきて...
この記事も長くなってきたので、いったん区切りましょう。
お帰りなさい!
ご旅行楽しまれたことと思いますが、ご無事で何よりです。
わ〜凄い、写真700枚も撮られたのですか?^ ^子供の頃にこういう博物館へ行っていたら私ももう少し理系好きになったかも、なんてね(笑)
by kuwachan (2014-05-02 23:45)
無事のお帰り、なによりでしたね。
GWの残りの数日はおうちでゆっくりなさるのかしら。
ドイツはフランスからも買うんでしょうが、それよりロシアからの天然ガスの方がずっと頼りでしてねえ。
だから、ロシアとの今後がどうなるか、そのことの方がすごく気になってます。
by めぎ (2014-05-03 04:47)
kuwachanさん、めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。
kuwachanさん、
まじめな話として、日本って理系技術者を増やそうとするような施策が欧米に対して完全に不足していると思います。
情報を発信するマスメディアに携わる人たちの中で、日本は圧倒的に理系ライターが少なく、それが情報を偏らせて最初の入口の部分が広がらないとも言われています。
めぎさん、
エネルギの話は、電気ではなく天然ガスそのものをロシアから輸入するということでしょうか?
となると、最近のウクライナ情勢に代表されるロシアの強硬な姿勢に対して微妙な動きになってしまうのも、事情としては理解できます。
makimakiさん、kiyoさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-05-03 06:24)
おかえりなさい!!
楽しまれたようで何よりです♪
この博物館本当にすごいですね。これは確かに理系くんは大喜びだわ!
そして理系人間じゃ無いけど、こういう博物館は好きです。
ワクワクしますね。
でもこれは広すぎて多すぎて、あっぷあっぷになりそうです(笑)
by リュカ (2014-05-03 17:31)
リュカさん、コメント & nice! ありがとうございます。
上野の国立科学博物館も一通り回るとそれなりに時間がかかりますが、それをはるかに超える規模でした。
見応えありました。
nmzkさん、ベアトラックさん、knackeさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-05-03 18:23)
お帰りなさい。
旅行、楽しかったようで良かったですね。
博物館、面白いですよね。
興味のあるがいっぱいで楽しかったでしょうね。
by miffy (2014-05-03 20:47)
すごい博物館ですね。
もっとも私にはその価値がどれだけわかるかというと・・・ですが。
ドイツの子供たちはこの素晴らしい展示が見られるわけですから
得られるものが日本の子供たちとは違いますね。
by ジャランこ (2014-05-03 21:14)
お帰りなさい!!
楽しいご旅行だったようで、よかったですね(^^)
アメリカ旅行記を今から楽しみにしています♪
by Amy (2014-05-04 02:24)
miffyさん、ジャランこさん、Amyさん、コメント & nice! ありがとうございます。
miffyさん、
この広い博物館のすべてが興味深いものでしたので、見るだけでもかなりのエネルギを使いました。
ここはほんとに2,3日使ってみるのが正解だろうと思います。
ジャランこさん、
内容がよくわからなくても、これだけ大規模な展示だと眺めるだけでもおもしろいですよ。
私も機械関係のこと以外はよくわからないこと多いですし。
Amyさん、
楽しい旅行は終わってしまいましたが、旅行記を各最後の楽しみが残っています。
お楽しみに。
yamさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-05-04 07:45)
日本は物に対する見せ方が薄いというか表面だけというかそういう所が私は好きではありません。
欧米の様に子供のころに成り立ちから教えて貰ったら興味があるものや好きなものがきっと増える筈ですよね。
by フェイリン (2014-05-05 17:59)
本当に(笑)お帰りなさい記事ですね。
そしてドイツ博物館のスケールのデカさ!!!!
ビックリです。
がーーーーん!と大きな手は鉄ですか。(私の手の形みたい^^;)
専門分野の博物館となれば心躍る時間だったでしょうね。
核廃棄物をドラム缶に入れた模型。リアルです。なかなか見ることの出来ないものですね。
飛行機の翼を人?が持っていたり天井からぶらさがっていたり、これ実際に見てみたいですよ☆
羽が波打っている形も今では珍しいのでしょうね。
すごいところに行かれたものです!(^^)!
by ake_i (2014-05-05 18:00)
懐かしいドイツ博物館。
わたし、ここ3日間通いましたが、ついに飽きませんでした。
また行きたいなあ。
by ナツパパ (2014-05-06 05:16)
フェイリンさん、ake_iさん、ナツパパさん、コメント & nice! ありがとうございます。
フェイリンさん、
子供の頃からいろいろなことに興味を持たせる工夫は必要ですね。
日本では理科離れが進み、将来が不安です...
ake_iさん、
ここはほんとにすごいですよ。
規模が大きいので、ほんとに迫力があります。
戦闘機の実機がこれだけ並ぶスペースということで、イメージしていただけるかと思います。
ナツパパさん、
3日間くらい続けて行けば、本当に楽しむことができたでしょう。
それくらいの時間は必要だと感じました。
hideyuki2007yさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-05-06 07:27)
ドイツ博物館は、本当に広いですよね。
ノープランでプラプラ歩いたので、見落とした部分も多かったと思います。
昔の人のチャレンジャー精神がなければ、今の便利な暮らしはなかったかもしれませんね。
by koyuki (2014-05-13 21:06)
koyukiさん、コメント & nice! ありがとうございます。
いつの時代も新しいことを発見したり挑戦したりした人がいるので、今の私たちの生活がありますね。
この先は、どんな未来が待っているのでしょうか?
alohaさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-05-14 07:43)