東京モーターショー 2015 輸入車メーカ編 [クルマ]
会期が終わってもしつこく引きずっている東京モーターショーのレビュー。
今回は輸入車メーカ編を。
全メーカを紹介することはできないので、注目したものだけを拾っていく。
まず紹介するのはルノー。
大きく目立っているのは、新しいトゥインゴの立体ディスプレイ。
リアエンジン・リアドライブとなったドライブトレインを強くアピール。
それでいて、リアシートの居住性、ラゲッジスペースの積載量を実用十分に確保。
次は、今話題のフォルクスワーゲン。
日本でも多くの人がご存知のように、ディーゼルエンジンのデフィートデバイス問題で大きく揺れている。
これについては、私も自動車業界に身を置く人間として、書きたいことが多々あるのだが、その発言には慎重にならざるを得ず、いろいろと考えた上で記事にしたい。
今回の問題もあり、フォルクスワーゲンは電動化の方向に大きく戦略を転換すると表明している。
それもあってか、看板展示はプラグインハイブリッド。
フォルクスワーゲンに限らず、欧州の多くのメーカが矢継ぎ早にプラグインハイブリッドモデルを発表している。
ハイブリッドで世界の先頭を走っていた日本勢だが、ここにきて欧州勢に一歩先を追い越された感は否めない。
さすがにディーゼルエンジンの展示はなく、ここでもハイブリッドのパワートレインを展示。
ピュアEVのほうも。
グループ会社のアウディで注目したのは、プロローグオールロード。
直噴4リッターV8ツインターボエンジンと電気モーターの組み合わせたプラグインハイブリッドで、最高出力734psと最大トルク900Nmを発生。
8段ディプトロニック(AT)とクワトロシステム(4WD)との組み合わせで、0→100km/h加速で3.5秒という性能を発揮。
それでいて NEDC モード燃費は 41.7km/L。
他には、今では珍しくなったエンジンのカットモデルの展示。
そのエンジン自体は逆に珍しくなくなってきているガソリン直噴ターボ。
続いては、シトロエンから独立したブランドとなった DS ブースへ。
DS 4 と DS 5 は、シトロエンのシンボルであったダブルシェブロンを取り入れたグリル形状から、オーソドックスなグリルへ。
少々地味な印象になった気がする。
あと、車名が "DS 4" のように、DS とその後の数字の間にスペースが置かれるようになった。
一方、私の愛車 DS 3 は、ダブルシェブロンのグリルが残っている。
たぶん、モデルチェンジ時期が近いのだろう。
そんな時期にわざわざ部品をおこすか、って話なのかな。
本家シトロエンの目玉は、C4 カクタス。
日本発お目見えで未発売だが、既に柵なし展示で車内への出入りも自由。
インパネはちょっとおもちゃチック。
先進的と見るか、子供だましのギミックと見るか。
こちらは、フィアットとクライスラーが合併して FCA となって初めての東京モーターショー。
アルファロメオは、4C スパイダーを展示。
フィアット500 の SUV 派生モデル、500X。
派生といってもほとんど名ばかりで、コンパクトな 500 に対して堂々とした大柄の3ナンバーボディ。
そのフィアット 500X と同じ車台を使用するこちらは、対照的にジープブランドでは最小となるレネゲード。
これまで紹介してきているように、輸入車ブースはほとんど市販車のみであり、あまり面白い目玉技術もない。
そんな中、唯一(かな?)コンセプトカーを展示していたのはメルセデスベンツ。
Vision Tokyo という、ヤンキー仕様のようなイルミネーションが目立つミニバン風。
自動運転のスタディモデルで、コンセプトはリビングルームだとかなんだとか。
自動運転にしたら、ラウンジ風の車内で寛ぐとか、もうドライバーの責任感というものは放棄。
質実剛健な BMW は、やはり展示の主力はプラグインハイブリッド。
既に市販されている i8 も柵なしでの展示。
ただし、さすがにドアはロックされ、車内に入ることはできず。
BMW でおもしろかったのは、水噴射システム搭載のエンジン。
調べていると、シリンダ内に水を直接噴射して、と記載された記事が多いが、カット図を見るとサージタンク辺りのところに噴射するようだ。
機能としては、混合気の温度を下げてノッキングを回避し効率を改善する。
水とガソリンというのはあまり相性がよくないが、コンプレッサで加圧された吸気温が高いところに噴射するので、霧化しやすく効果も期待できるのだろう。
同じ BMW グループの MINI は、発表されたばかりのコンバーチブルが人気。
最後に紹介するのは、小規模で個性的なカロッツェリア。
これは輸入車ではないか。
フェラーリでも活躍していたケン・オクヤマ氏のオフィスである、KEN OKUYAMA デザインのクルマはどれも強い存在感を示しているが、その中でもワールドプレミアとなるガルフカラーの Code 9 Spyder に注目。
エンジンは 1.6~2.4L で 選択可能となっているが、それ以上の情報は見つからず。
エンジンを自前で作るのは無理だろうから、どこかからの OEM 供給だと思われるが。
こちらも面白そうな英カロッツェリアのラディカルRXCターボ。
ナンバーをつけて行動走行可能。
価格が表示されていて、「260万円?意外と安いな」と思ったのも束の間、0 がもうひとつ多かった。
フォード製3.5L V6 ツインターボでそんなに安いわけはないか。
次回の記事は、モータースポーツ車両を紹介予定。
nmzkさん、tochiさん、剛力ラブさん、mangaharaさん、ネオ・アッキーさん、Lionbassさん、knackeさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2015-11-26 07:58)
シトロエンのC4はすごい人気だそうですね。
欧州の方々は、これで日常に用にするのかなあ。
ちょっと遊びすぎのような気もするのだけれど。
ハイブリッドの大流行は、トヨタのパテントが切れるから、
なんて聞きましたが、どうなんでしょう。
by ナツパパ (2015-11-26 09:36)
ベンツ、すごいですね。
ちょっと笑っちゃいました。
by luckystream (2015-11-26 10:47)
アウディが好きなので、
フォルクスワーゲンの問題は注目しています。
ベンツは、ここまでベンツらしくないものを造りますか・・・
ドライバーの責任放棄って(笑)
by aloha (2015-11-26 11:00)
私は機械の方がサッパリなので、エンジンが展示されていても何がなんだか分かりませんが(^^ゞ
YAPさんはやはり興味津々のご様子。こういう機会でしかなかなか見られないものですものね。
by kuwachan (2015-11-26 12:15)
ナツパパさん、luckystreamさん、alohaさん、kuwachanさん、コメント & nice! ありがとうございます。
ナツパパさん、
C4カクタスはそんなに人気があるんですか。
今年は海外出張がなかったので、現地での人気はどうなのかなと思いました。
普通のC4とかは日本とは比べものにならないくらい走ってますから。
luckystreamさん、
もうほとんど遊びで造ってますよね。
最近のモーターショーではここまでのものは久々の気がします。
alohaさん、
VWの問題はガソリン車にも広がってきていますね。
日本導入モデルはすべて対象外とのことですが。
kuwachanさん、
やはり技術展示には注目してしまいます。
そういう点では部品メーカの展示はおもしろいんですが、最近は目新しいものが少なくて。
ちょっと残念です。
Ujiki.oOさん、コミックンさん、mentaikoさん、宝生富貴さん、モグラたたきさん、shingekiさん、dougakunenさん、nandenkandenさん、AKIさん、sheriさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2015-11-27 07:19)
青い車って格好いいなーーーー
i8のブルー、好きです!
by リュカ (2015-11-27 10:06)
YAPさんはとても車がお好きなことが伝わってきます。
それにしても0が一個多いのって~ 超高級車ですね~(w゚∀゚w)
素敵なわけです。
by GAYO (2015-11-27 22:57)
リュカさん、GAYOさん、コメント & nice! ありがとうございます。
リュカさん、
青いクルマいいですよね。
私も今のクルマを購入するときに、ボディカラーは青にしたいと思ってました。
けど、私が購入する直前でそのカラーが廃止になってしまい、残念ながら他の色(赤)にしました。
GAYOさん、
クルマでメシ食ってるくらいですから、興味ない人から見たら、変人ですよね、きっと。
とはいっても、もし仮に私が無尽蔵の金を持っていたとしても、1000万円級のクルマは買わないような気がします。
いいクルマでしょうが、実際の価値がそこまでかというと、そうでもないような気がして。
gillmanさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2015-11-28 06:44)
確かに、自動運転なら車に完全にお任せで車内で寛いで...というのは、うちのドイツ人の夢でもありますね~
そういう考え方って、ドイツらしさだったのかしら...
by めぎ (2015-11-28 16:24)
めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。
えーっ!そうなんですか?
私が知っているドイツ人は、自動車関係者ばかりのせいか、運転そのものを楽しむという人が多く、その楽しみをクルマに奪われたくないという意見が大勢なので、ドイツ人全体の傾向としてそうだと思っていました。
とはいっても、自動運転の技術開発をしているのも自動車関連技術者であって...エンジン屋の戯言を言い合っているだけなのかな?
濱の寅次郎さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2015-11-28 16:41)
ベンツの、やっぱりへんですね。
確かにちょっとヤンキーっぽい^m^
どんなリビングか、中が気になります。
by ふにゃいの (2015-11-29 15:58)
100%事故なしの自動運転はいつ頃に実現するんでしょう?
Vision Tokyoは車体に凹凸が少なくて洗車がし易そうですね(^^)
by Amy (2015-11-29 17:35)
ふにゃいのさん、Amyさん、コメント & nice! ありがとうございます。
ふにゃいのさん、
久々にここまで飛んだコンセプトカーを見ました。
内装の写真は外部記事ですがこちらで見ることができます。
http://allabout.co.jp/gm/gc/459884/
Amyさん、
重量があるものが高速で移動するわけで、物理法則には勝てない(すぐには止まれない)ので、100%事故なしということは残念ながら半永久的に無理だと思います。
それだけ、私たちは自覚して運転しなければならないのだと思います。
大和さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2015-11-29 17:46)
DS3ですか、日本仕様なら我が車も同じ1.6エンジンかもしれません
734馬力…アウトバーンの速度制限無し区間仕様ですね、wonderful ^_^
by One-for-you (2015-12-01 22:28)
One-for-youさん、コメント & nice! ありがとうございます。
私のDS3の1.6Lも、いろいろなクルマに搭載されていましたが、そろそろ引退をむかえそうです。
Amyさん、芝浦鉄親父さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2015-12-02 08:10)