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三度目のドイツ出張 Ford FIESTA Eco Boost [クルマ]

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今回の出張中の愛車。




 

日本国内では最近導入されたばかりの新しいフォード・フィエスタ。 

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精悍なマスクとなり、これまでの「普通の」コンパクトカーから、ずいぶんとスポーティなイメージに変わった。





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エンジンは、フォードがかなり力を入れて開発した "Eco Boost" と呼ぶシリーズの最小版、3気筒 1.0L 直噴ターボ。
最大出力は100PSながら、最大トルクは170Nmに達する。
アイドルストップもついていて、渋滞の多い都市部でもさほど燃費が悪くならない。





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トランスミッションは、日本には導入されてない 5MT。
今も変わらずヨーロッパでレンタカーを借りると MT がほとんどで、AT を選ぼうとすると極端に数が少ないために、予約できなかったり、でかいクラスしかなかったりするようだ。





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メータのレイアウトは左にタコメータ、右にスピードメータ、中央上に情報用のモニターがあるが、ここの表示内容を変える方法がよくわからなかった。
距離計とかの表示がないので、たぶんここを切り替えられると思うのだが。





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"SYNC" と呼ばれる Microsoft 製のマルチメディアシステムが搭載されており、カーナビゲーションもここに組み込まれている。
Bluetooth もつなげられたので、私の iPod と同期させて、ホテルから職場までの道中、自分のお気に入りの曲で楽しんでいた。



走っての感想は、さすが世界中で話題のエンジンなだけに、コンパクトなボディに過給エンジンを搭載しているとはいえ、1.0L のエンジンがこんなにもぐいぐいと力強く走ってくれるのかと、驚きしかない。
たしかに低回転で不快な振動は感じる。
だが、ほんとに極低回転の話。
1500rpm以上をキープしておけば、平和そのものだ。

シフトフィールも悪くないが、4速以上のギア比をもっと落としてもらいたい。
ダウンサイジングとともに、ダウンスピーディングも叫ばれている昨今、しょうがないのかな。

後席やトランクのチェックは忘れていたが、トランクは荷物の出し入れでも使っていたので、大体スペースはわかる。
リアシートを倒さない状態で、私のけっこう大型(約90L)のスーツケースが何とか入るくらい。
このクラスのクルマでリアシートを倒さなくてもスーツケースが載せられるモデルはそう多くはないのではないだろうか。



 

それでは、せっかくなので、海外初となる恒例の採点を。
ディーラーでの試乗時は15分程度の運転しかできないが、今回は通勤で毎日使えたわけなのでいろいろと気づくことも多かった。

エンジン;9点
10点としてもよかったのだが、極低回転域での振動と、そこからの加速にやや物足りなさを感じたので1点減点した。
だが、これで文句を言うのは贅沢すぎる話であり、加速したければひとつ下のギアを選択すればいいだけのこと。
1500rpm辺りを過ぎれば、ドイツのアウトバーンを走るのさえも文句なく車格からは想像できない力強さを感じることができた。
距離や燃費の表示のさせ方がわからなかったので実際の燃費値はわからなかったが、滞在期間中で150kmくらいは乗ったと思うが、燃費系の針はほとんど動かなかった。
借りるときに燃料タンクオプション(返却時に満タンにしなくていい)を入れてもらったが、大損である。
カタログ値は、EUDC モードで CO2 排出量で 99g/km, 燃料消費率で 4.3L/100km。日本流の表示とするなら 23.3km/L となる。
エミッションは、ユーロ5。

トランスミッション;6点
クラッチの踏力やシフトフィーリングは悪くない。
少なくとも日本であれば4速までで十分なほどに3速以上がハイギアードであり、それがなんとなくフラストレーションであった。
トルクバンドが広いターボだからということもあるのだろうが、今時 MT で6速でないというのはちょっとね。
いや、クルマの性格を考えればこの5速、そしてギア比の設定で正しいのだろうが。
日本に導入されている DCT は6速であることを考えると、ちょっと MT に手を抜きすぎでは?

走安性;7点
取り立ててすごくいいわけではないが、ヨーロッパ車らしいがっしりとした乗り味はこのクラスでも例外ではない。
アウトバーンに乗ったのが初日の空港からの道だけだった(まだ運転に慣れてなかった)ので、車速域は日本で乗っているのとさほど変わらない範囲しかわからなかったが、その範囲ではすばらしく安定していた。
ブレーキのタッチが初期の効き始めがわかりにくく、それがちょっと不満かな。

デザイン;9点
以前フォードグループのひとつだったアストンマーティン風のマスクは、歴代のフィエスタとは明らかに一線を画しており、もう安いだけのコンパクトカー(すみません、そんな印象でした)ではないことを強く主張している。
ドイツでもかなりの数が街を走っており、見かけるとかなり印象に残る。

コストパフォーマンス;5点
ドイツのサイトで確認すると、私が借りていたモデルと同一の仕様が見つからなかったのだが、たぶん18,500ユーロくらいだろう。
1ユーロ140円で計算すると260万円弱になるが、EU圏民のユーロに対する価値感覚はたぶん1ユーロ100円くらいだと思うので、そう考えると180万円くらいの感覚だろう。
エンジンに金をかけているだけにこの価格もしかたない気もするが、フィエスタの車格からするとちょっとお高めな気はする。

エンジンの割りにトランスミッションが地味過ぎるというか前時代的なので、アディショナルポイントは -1点。

総合;35点
このクルマを選択するという行為が知的に感じられるような、そんな賢い選択肢としての存在を感じる。
1500rpm以上をキープしておけば振動も気にならないしトルク感も申し分ない。
ドイツで走っている数を見ると、このモデルになって相当売れているものと思われ、市場からの評価もかなり高いようだ。
エンジンにこれだけ金をかけているのだから、トランスミッションにももっと力を入れてほしい。
あ、DCT もあるし金をかけていないわけじゃないか。MT だけが放ったらかし?

私の過去の出張時のレンタカーは、はっきり言ってハズレ車種ばかりだったのだが、今回は初の当たり。
1週間、文字通り私の「足」となって存分に活躍してくれた。
返却するときに名残惜しさを感じる、そんな気にさせてくれた。


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コメント 14

リュカ

この色、珍しいですかね?
日本ではあまりこういう色の車が走っているのを見たことがないです。
上品なフォルムだ〜^^
by リュカ (2014-03-29 07:47) 

めぎ

車は当たりでしたか・・・気の重い出張の中に楽しみも見い出せてなによりでしたね。
こちらの人に、日本ではATばかりだと言うと、一様に変な顔をされます。
by めぎ (2014-03-29 08:17) 

miffy

ご無沙汰しました。
無事に帰国しました。

とってもきれいな色の車ですね。
海外での車の運転はいろいろと違うことも多く
大変でしょうね。
by miffy (2014-03-29 14:48) 

ゆう

マニュアル車は、もう運転できないかも。。。
ちょっと、運転してみたい誘惑も。。。(^^)
by ゆう (2014-03-29 15:05) 

YAP

リュカさん、めぎさん、miffyさん、ゆうさん、コメント & nice! ありがとうございます。

リュカさん、
あまり見かけない色ですよね。
私の乗ってた MINI の黄色ともまた違った黄色できれいでしたよ。

めぎさん、
今もヨーロッパは MT が圧倒的多数ですね。
けど、高級車から順に、ATのシェアも伸びていますね。
あと、メカ的には MT に近いのですが 扱い方としては AT に近いデュアルクラッチトランスミッション(DCT)も VW を中心に伸びてますね。
けど、やはり運転する楽しさという点では、MT はまだまだすばらしいです。

miffyさん、
少なくとも先進国と言われる国であれば、慣れれば日本よりも楽なところが多いですよ。
ドイツもシステマチックで、非常に運転しやすいです。

ゆうさん、
日本ではもう絶滅危惧種ですからねえ。
アメリカと日本は、完全に AT の国になってしまいました。

かっちんさん、げいなうさん、nmzkさん、knackeさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-03-29 17:16) 

kuwachan

散策しながら駐車してある車を覗くとわかりますが、ヨーロッパではまだまだマニュアル全盛ですよね。ATの方が少ないですね。
ドイツでフォードっていうのも面白いですね^^
by kuwachan (2014-03-29 23:00) 

ake_i

マニュアル車のフォード!!そしてこの色とスタイリング、かなり気に入りました。
いつかは自分の車を取り戻そうと目論んでいる私には、採点ポイントとこの現実の写真が寝る前に頭に強くインプットされましたよ(笑)
この素敵な車でどのような路、街を走られたのでしょうか?
そしてどのようなお食事をされたのかしら(爆)と興味が尽きません(^_-)
by ake_i (2014-03-30 00:01) 

YAP

kuwachanさん、ake_iさん、コメント & nice! ありがとうございます。

kuwachanさん、
フォードって、もちろん元はアメリカの会社なのですが、ドイツやイギリスにも開発拠点があるんですよ。
モンデオや、このフィエスタはドイツで開発されているんです。

ake_iさん、
今回の出張ではほとんど会社との往復だったので、あまり景色のいい路を走ることができませんでした。
途中、ちょっとした田園風景は出てきましたが。
食事は、いずれ紹介しますのでお待ちを。

シルフさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-03-30 06:24) 

luckystream

海外のレンタカーでも採点されるあたり、さすがー^^
1.0Lなんですね。ビックリです。
by luckystream (2014-03-30 15:28) 

YAP

luckystreamさん、コメント & nice! ありがとうございます。
今、世の中はエンジンを小さくしてできるだけロスになる部分を少なくして効率を上げるという考え方が主流になってきています。
排気量を下げてトルクが落ちた分は、過給で補ってやる、と。
昔はターボなんて燃費が悪いというのが通説でしたが、今は高効率のためになくてはならないものになりました。

kiyoさん、Amyさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-03-30 16:33) 

ちんくろ2級

ふえ~
ご自身で自動車を運転されるんですね。
わが社、出張先はおろか、国内でも職務上で自ら自動車を運転するのは禁じられております。
by ちんくろ2級 (2014-04-02 19:34) 

YAP

ちんくろ2級さん、コメント & nice! ありがとうございます。
まあ、自動車関係の仕事をしている人間ですから、運転そのものはそれなりにできるので。
国内でも仕事での運転はNGなんですね。
けど、レポーターの方とかクルマで現場まで行かれたりもしているのをテレビでお見かけするので、専属の運転手の方というお仕事もあるんでしょうか?
by YAP (2014-04-03 06:49) 

One-for-you

日本では、まず運転する機会がない車を運転できる醍醐味ですね
YAPさんの車レポはProだから楽しいです
それにしても、欧州の方は、MTでキッチリシフトダウンの、スタイル
の方が多いてますよね、軽くエンブレ効かせながら200オーバであの車間で走れるのを理解したのは、数百キロ走行後でした
AT指定のレンタカー派、シフトレバーをMT側に入れてプラス、マイナスを、ガチャガチャしたら流れに合わせて高速走行が楽になりました^_^
by One-for-you (2014-04-09 20:53) 

YAP

One-for-youさん、コメント & nice! ありがとうございます。
高速走行時の制動は、クルマが正しい姿勢でいるときにやらないと挙動を乱しやすいですし、後続のクルマにも極端な減速を強いることになることが多いので、エンブレを使ってやるのが交通の流れを保つためにはいいと思います。
日本だとATでDレンジに入れっぱなしのドライバーが多くて、必要ないのにパカパカとブレーキを踏んでいる人が多いですからねえ。
by YAP (2014-04-10 06:19) 

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