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名古屋 1泊2日 おっさん一人旅 トヨタ博物館 その1 [国内ウロウロ]

2月最後の週末に出かけた名古屋1泊2日おっさん一人旅。


2日目がスタート。

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この日最初のナンバーは、DOUBLE の "Sweet Time"。
残念ながら、公式動画はネット上で見つからず。




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この日の目的地は、トヨタ博物館。

その名の通り、トヨタの企業博物館なのだが、トヨタ車に限らず、自動車の歴史を彩った海外を含む他社のクルマも数多く展示されている。
普通は企業所有の博物館は、その会社のクルマしか展示していないのだが。
その懐の大きさは、さすがトヨタ。
ちなみにトヨタは社員もトヨタ車でなく他社のクルマに乗っていても会社の従業員駐車場や社宅でも許されている。
海外だと社員の所有するクルマに制限なしという会社はまあまああるが、日本の会社だとそれはほぼない。

話が戻るが、世界中の歴史的名車が多く展示されているので、クルマバカの私には記事に載せるクルマを選別するのにかなり苦労した。
かなり絞ったつもりでも相当な量になったので、5回くらいの記事に分けて、それでも一つの記事の写真の量が多くなってしまうのだが、興味のない方は適当に流していただければ。
大体は年代順に展示されているものの、きれいにその通りになっていない部分もあるので、写真も多少時代を前後する。
車名は、展示されていた説明パネルの表記に準じている。







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トヨダ AA型乗用車
1936, 日本
直6 OHV, 3389cc

トヨタ初の乗用車で、当時のアメリカ車を参考に造られたモデル。
これが展示スペースの入口でゲストを迎えてくれる。




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ベンツ パテント モトールヴァーゲン                                   ベイカー エレクトリック
1886, ドイツ                        1902, アメリカ
単気筒, 954cc                                                                電気モーター 20V

左はガソリン自動車の第1号といわれているベンツの三輪車。
時速 15km ということだが、ここから自動車の歴史が始まった。

右は電気自動車だが、この頃既にアメリカでは電気自動車が作られていた。
充電1回で 80km 走行できたということで、現在最新の EV の航続距離を考えるとかなりすごい。
もちろんスピードは全然遅いしフレームにタイヤをつけただけのような軽い車体だし、今の技術と比べるべくもないが、電気自動車自体、バッテリーとモーターというシンプルな構造で造れたということ。




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パナール エ ルヴァッソール 6HP ワゴネット
1898, フランス
直列2気筒 SV, 1699cc

フロントエンジン・リアドライブを採用した最初のクルマ。
レースでも活躍し、FR が普及するきっかけになった。




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ド ディオン ブートン 1 3/4HP トライサイクル
1899, フランス
単気筒, 240cc

この頃はこういう自転車を改造して三輪車としたものもあった。
日本でも本田宗一郎が自転車を改造して(燃料タンクは湯たんぽを利用)バイクにしていたが、同じようなことは世界中で考えられていたようだ。




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ロールスロイス 40/50HP シルバーゴースト
1910, イギリス
直列6気筒L-頭型, 7428cc

ロールスロイスは昔から大きく豪華な高級車。
銀色のテスト車のあまりの静粛性からこの名前に。





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フォード モデルT
1909, アメリカ
直列4気筒L-頭型, 2896cc

言わずと知れた、自動車の大量生産を実現し普及させた記念碑的モデル。
自動車の歴史もここから大きく変わる。





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シボレー スペリア シリーズK
1925, アメリカ
直列4気筒OHV, 2802cc

フォードに対抗して GM が発表したモデル。
1927年にはフォードモデルT の生産台数を追い抜く。





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この頃の年代になると、インパネにもメータ類がいくつか装備されている。
速度計と燃料計はまず必要だとして、その後あれこれ時代とともに追加されていったようだ。




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プジョー ベベ
1913, フランス
直列4気筒L-頭型, 855cc

大衆向けの小型車ということで開発されたクルマ。
設計はブガッティ。





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シトロエン 5CV タイプ C3
1925, フランス
直列4気筒L-頭型, 856cc

「フランスのヘンリーフォードでありたい」という思いで造られたシトロエンのヒット作。
写真では小さくて見えづらいが、フロントグリルを取り囲むフレームの上には、シトロエンおなじみのダブルシェブロンのマーク。





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シボレー コンフィデレイト シリーズBA
1932, アメリカ
直列6気筒 OHV, 3179cc

フォードとの販売競争に勝つために開発された大衆車。
といっても 3000cc 超えの排気量でフランス車とかとは対照的。





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フォード モデル40
1934, アメリカ
V型8気筒L-頭型, 3621cc

ライバルのシボレー (GM) に対して V8 で対抗。
この頃からスタイルが流線形に移り変わろうとしている。





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イスパノスイザ 32CV H6b
1928, フランス
直列6気筒 OHC, 6597cc

小型車が目立ったフランスにも、こんな大型高級車が。
世界初のブースター付きのブレーキを採用。





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中もこんなに広々でまるで応接室のよう。




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ダイハツ オート三輪 SA-6型
1937, 日本
単気筒 SV, 667cc

日本での自動車の普及は欧米に遅れをとっていて、最初に普及したのはオート三輪。
ダイハツは当時のトップメーカ。





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ニッサン 70型 フェートン
1938, 日本
直列6気筒 SV, 3670cc

製造は日本の日産となっているが、米グラハム・ぺージ社から設計図面と生産設備を入手し製造。





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トヨタ KC型トラック
1945, 日本
直列6気筒 OHV, 3386cc

戦時下仕様のトラックで、資材不足を補うために各社共通の荷台の架装や、ドアやボディ部材に木材を多用している。





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タトラ 87
1948, チェコスロバキア
V型8気筒 OHC, 2969cc

V8、RR 駆動等、かなり独創的。
チェコスロヴァキアのクルマなので、国営で造られたものだろう。




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この頃から明確にスタイルが変化し、流線形が本格流行。




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オールズモビル シリーズ F
1937, 日本
直列6気筒 SV, 3769cc

当時は日本国内(大阪)に GM の工場があり、米国の部品が日本に送られて、日本でノックダウン生産されたモデル。





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フィアット 500 [トッポリーノ]
1936, イタリア
直列4気筒 L-頭型, 569cc

トッポリーノの愛称で親しまれたイタリアの大衆車、初代 500。
小さなボディながら十分なキャビンスペース。





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プジョー 402
1938, フランス
直列4気筒 OHV, 1991cc

これはかなり攻めたデザインだと思った。
フロントグリル内に収めたヘッドライトや、サイドステップを廃止し室内スペースを拡大。





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リアタイヤにはスパッツというかフェアリングが装備されているが、当時にタイヤ回りの乱流を抑えるまで考えられていたかは不明。
たぶん、アイディアとしてはデザインだけだったのではないかな。




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シトロエン 11B
1937, フランス
直列4気筒 OHV, 1911cc

ひとつ前の写真のプジョー402 と比べると、同年代でありながらずいぶんとコンサバなデザインに見える。
メカニズム的には、世界初の FF車ということでかなり革新的ではあるが。





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キャデラック シリーズ60スペシャル
1938, アメリカ
V型8気筒 L-頭型, 5670cc

流線形ボディとともに、リアにトランクルームが設けられ、現在の3ボックスセダンの原型ともいえる。





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1930年代の流線形ブームは自動車のみならず、多くの交通手段でそのようなデザインが検討されていたらしい。
これらを見ると、私の世代が子供だった頃に描いていた未来予想図のよう。


トヨタ博物館は、まだまだ続きますがお許しを。






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コメント 15

One-for-you

こんばんは
いつか行ってみたい博物館ですw

ご縁があり、完全隠居を取りやめて現役復活しました。
ときどきBlog Update に変わります、、、
by One-for-you (2023-04-02 20:36) 

One-for-you

あ、そのうち自車のスタッドレスが必要で一日車交換した初代フーガ450の記事、書きますね・・・
by One-for-you (2023-04-02 20:37) 

ふにゃいの

車を運転しないので、形と性能の関わりとか
まったくわからないから適当な美的趣味で言うと
今の車には造形的な思い入れが全く沸きません。
それに比べると昔の車の形や塗装の色は大好きです。
by ふにゃいの (2023-04-02 21:50) 

YAP

One-for-youさん、ふにゃいのさん、コメント & nice! ありがとうございます。

One-for-youさん、
お仕事に復帰ですか。
精力的な活動でなによりです。

ふにゃいのさん、
昔のクルマは工芸品的というか美術品敵というか、そういう感覚もありますよね。
今よりも随分高価なものだったでしょうし。

xml_xslさん、yashinokiさん、tochiさん、@ミックさん、鉄腕原子さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2023-04-03 07:04) 

おと

素敵なデザイン、どの車も個性的ですね〜。美しいなぁ、前衛的に感じます。芸術作品という感じ。。
by おと (2023-04-03 07:25) 

ナツパパ

歴史を振り返れば、やはり欧米の車が主流になるのですね。
きちんと整備されての展示はさすがです。
見どころがたっぷりあって良いところですね。
by ナツパパ (2023-04-03 10:07) 

kyon

トヨタ、小学生の頃に工場見学に行きました。
男性はこう言うところが好きですね。
北陸にある博物館に夫に連れられて行きました^^
一人旅、自由でいいですね。
by kyon (2023-04-03 16:41) 

sheri

本当に他社の車もたくさん展示されているんですね。
太っ腹~~☆
こういう昔の車、好きです。運転は出来ないので見るだけですが。
by sheri (2023-04-03 21:37) 

Inatimy

トヨタ博物館、昔に行ったことがあります。
一番印象に残ってるのが、3枚目の写真のトヨダ AA型乗用車。円タクで走ってたんでしたっけね。エンブレムがかっこいいんですよね。あと、後部座席、窓側に太い綱が垂れ下がってて、手すり代りになってて^^。
by Inatimy (2023-04-03 21:47) 

ake_i

良いですね~!!キャデラック、プジョーなんて色も最高にオシャレ。
12月下旬に一泊2日名古屋行きました。ありきたりなのかもしれませんが二日目に行って犬山にどっぷり浸りました。
また名古屋に行きたくなりましたよ!!
by ake_i (2023-04-03 23:04) 

めぎ

凄い!よく集めましたねぇ…
太っ腹と言えばまあそうですが、これは博物館にして見せて元を取らないと、という感じかも。
by めぎ (2023-04-04 03:32) 

kuwachan

トリノで見学した自動車の博物館を思い出しました。
さすがトヨタって感じがしますね。
YAPさんは見る観点が違います^^
by kuwachan (2023-04-04 06:39) 

YAP

おとさん、ナツパパさん、kyonさん、sheriさん、Inatimyさん、ake_iさん、めぎさん、kuwachanさん、コメント & nice! ありがとうございます。

おとさん、
数多く展示されている中から、個性を感じるモデルをピックアップしました。
黎明期は設計するにもデザイナーの感覚だけを頼りにしていたことと思います。
それが個性を生んでいたのでしょう。

ナツパパさん、
自動車の歴史の初期は欧米中心ですね。
驚いたのは、日本に工場を持っていた会社がけっこうあること。
この先の記事でも紹介していきます。

kyonさん、
うちのかみさんも以前はこういうところに行くのに付き合ってくれていましたが、最近は私一人で行くようにしました。
やはり興味がないようで。

sheriさん、
自社の歴史だけでも輝かしいものがあるので立派な展示ができるだろうに、ほんとに太っ腹だと思いました。
この先の記事で日本車の紹介も増えますが、それでもトヨタ車は多くの中の一部という感じです。

Inatimyさん、
トヨダ AA のエンブレムは、トヨダの文字をデザインしたものでした。
ここから大企業の歴史が始まったんですね。

ake_iさん、
犬山は見どころたくさんですね。
ひとつひとつの施設の規模が大きくて、数日滞在しないと満喫できないほどの隠れた大観光地だと思います。

めぎさん、
たしかに維持は大変だと思います。
ほとんどすべての車両が今も動く状態にメンテされてますから。

kuwachanさん、
海外の自動車博物館もいくつか行きましたが、ここはひけをとりません。
フロアも広く展示がゆったりとしていました。

nmzkさん、kiyoさん、ふるたによしひささん、ずん♪さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2023-04-04 07:09) 

リュカ

トヨタ博物館なのに、海外や他社の車もっていうのにビックリ。
そういう博物館の方がいろんな目で見られて楽しいですね^^
前に某ビール会社の人と知り合いになったことがあるのですが
自社ビール以外は飲まないようにねって言われてるって(笑)
2社ほど知り合ったけど、どちらもでした(笑)
by リュカ (2023-04-05 17:18) 

YAP

リュカさん、コメント & nice! ありがとうございます。
日本の会社だと、自社以外のクルマに乗ってはダメというところがほとんどです。
バイクも制約あるようですね。
ビールは見えないところではこっそりということがありそうですね。
by YAP (2023-04-06 07:05) 

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