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次期愛車への道 '22 マツダ ロードスター 990S [クルマ]

私の人生で最後から二番目のクルマになるであろう次期愛車選び。



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今回は、マツダのロードスター。
オープンカーは暑い季節を迎える前に試乗しておかないと。
冬にオープンで走っている人を「寒そう」と思って見てる人は多いかもしれないが、冬のオープンに比べると夏のオープンの方がはるかにつらい。
というか、冬のオープンははっきり言ってまったくつらくない。
ヒーターを効かせてサイドの窓を上げておけば、かなり快適だ。
夏だとエアコンからどんなに冷風を出していても上から照らす太陽の熱で焼かれ、熱中症の懸念も出てくるほどに暑いのを避けることはできない。







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試乗させていただいたのは最も軽量なベースグレードである "S" に対して、ブレンボのブレーキや軽量なレイズのホイールを採用した特別仕様車。
名前の "990S" の 990 は、車重が 990kg ということから。
今の時代、1000kg を切ることがいかに難しいことか。
マツダはこの 990S を強く推しているようで、うちの近くのディーラーでロードスターの MT 試乗車を用意しているところは、すべてこの 990S だ。




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先代の NC 型では大きくもっさりとなってしまったロードスターだが、この ND 型で原点回帰、初代 NA で印象的だった軽快さを取り戻した。





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この 990S の特別装備のひとつ、ダークブルーの幌。





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もちろん試乗はオープンで。
この精悍なマスク、ほれぼれする。





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リアビューもかなりいいデザイン。





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私が乗っていた NA 型は、幌を開けるのにロックを2か所はずしリアスクリーン周りのファスナーを開けて...と少々面倒だったが、現行モデルはロックは1か所でそのまま後ろにたたみ、さらにはこのようにスッキリと美しく収まる。





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エンジンは 1.5L 直噴の SKYACTIV-G エンジン。
基本的にはマツダ 3 や 2 で採用されている 1.5L エンジンと同型だが、FR なので縦置きにレイアウトを変更し、それに伴い吸排気系も最適化、さらにはこのエンジン専用となる鍛造クランクシャフトや軽量フライホイールを採用している。





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トランスミッションもロードスター専用設計品となる。
シフトストロークが短く、フィーリングもいい。
リバースは軸下方向に上から押し下げて入れるタイプ。





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この 990S の売りの一つ、いや、二つ同時に写真に納まっているのは、レイズの軽量ホイールとブレンボのブレーキ。
ホイールは1本あたり約800g、4本で 3.2kg の軽量化。
たかが 3kg、されど 3kg。
私は足回りのプロではないが、ばね下重量がこれだけ軽くなる効果は大きいのだろう。
ロードスターは前後の重量配分が 50:50 になるように設計されているが、重量物を少しでも車体中央に寄せるために、前輪のブレーキキャリパは後ろ側、後輪のキャリパは前側についている。





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では、この開放感あふれる運転席に乗るとする。





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今やクラシック感すらある、垂直指針機械式のメータ。
タコメータが中央に鎮座し、ここでエンジンと対話する。





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センターコンソール全体はこんな感じ。





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990S はベースグレードの S 同様、オーディオはラジオのみ。
いろいろアレだと評判のマツダコネクトの液晶画面はオプションでも設定されてない。
Bluetooth さえない。
とことん軽さと走りに振っている。
空調のルーバーが青く加飾されているのがこのグレードのちょっとしたこだわり。





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室内の収納は、このように背面に鍵付きのボックスが一つと、それぞれのシート裏にも鍵なしのボックスがそれぞれある。
普通のクルマには装備されている助手席正面のグローブボックスはついていないので、この背面の3か所が室内収納のすべてである。
まあ、オープンカーはこんなもんだろう。





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トランクは、元 NA 型オーナーとしては、驚くほどの大きさ!
NA では小さなスペアタイヤが大きなツラしているのに加えバッテリまで無造作に近い姿で置かれていたのでほんとに荷物が載らなかったのだが、さすがに世代を重ねるごとに最大限の頑張りが見える。





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ちょうど機内持ち込みサイズのスーツケースを2個廃棄しようとしていたところだったので、試乗後にゴミ収集センターに持ち込むために持ってきていたもので試させていただいた。
このタイプのスーツケースが縦で並べて二つ入るという触れ込みだったが私が持ち込んだ2点はその向きでは収まらず。
だが、深さがけっこうあるので、こうして上積みすることで2個を積載可能なことを確かめられた。
このサイズのスーツケースが2個積めるということは、旅行の計画を立てるにしてもかなり大きな要素となる。


それでは、エンジンをかけて試乗開始。
しっかりと節度感のあるシフトを1速に入れて発進、軽量フライホイールとのことだが、クラッチのつなぎづらさとかはない。
回転の上昇に合わせてシフトをアップさせていくが、その動作がとても気持ちいい。
クラッチは重くもなく軽くもなく、シフトはカッチリと気持ちよくゲートに吸い込まれるように入る。
エンジンは 1.5L でも非力な感はなく、アクセルに合わせて加減速が思いのまま。
ステアリングの操作に対する応答はかなりクイックだが、神経質な感じではなく、自分の意思の通りに素直にひらひらと向きを変えてくれる感じ。



では、恒例の私の個人的偏見による採点を。

エンジン;8点
全開性能スペックは、97kW@7000rpm / 152Nm@4500rpm。
1.5L NA エンジンとしては数値的にこんなものだろうが、この数字に出てこない部分、例えば低速域のトルクとかも不満なく、とても扱いやすい。
回転の吹け上りもきれいでたくましく、パワーがすべてではないということを実感する。
カタログ燃費は WLTC モードで 16.8km/L。
SKYACTIV シリーズでマツダはエンジンで他社に差をつけたのを感じる。
世の中は電動化に進んでいるがまだまだ課題も多く、内燃機関はもう少し活躍できそうだ。

トランスミッション;10点
これはもう文句なし。
個人的にはケチをつけるところがない。
シフトフィールは軽快で滑らか。
短いストロークもいいし、クラッチの感覚も私に合っている。
私が乗っていた NA型は、ルーチェのトランスミッションを流用していたが、今はこのクルマの専用設計。
とにかく最高。

操安性;10点
全ての挙動がわかりやすく、運転していて安心感にあふれている。
それでいて楽しい。
それは単純に速いスピードを求めることにつながるわけではなく、そのときどきの交通の流れに合わせての気持ちよさがある。
素の S グレードと乗り比べたわけではないので、レイズのホイールやブレンボのブレーキがいかほどのものかはわからないが、ブレーキもしっかりとした安心感。
オープンなのに剛性感は高く、四本のタイヤがしっかり路面をつかんでいるのがよくわかり、姿勢はしっかり安定している。
脚はまったく固い感じはなく、しなやかに追従している。そう、「しなやか」という言葉が最も相応しい。
ちなみに今年のモデルから、KPC (キネマティック・ポスチャー・コントロール) という車両制御技術がついた。
これは、0.3G を超える横G が発生すると、その大きさに応じてリア内側の車輪に軽くブレーキをかけることで内側がリフトすることを防ぎ、高速コーナリングでも車体を安定させるという技術。
市街地で 0.3G を超える横G がかかるような運転をするのは相当やばいヤツなのでもちろん体感することはなかったが、ワインディングを走るのも楽しいことだろう。

デザイン;9点
デザインは人の好みでそれぞれだが、私にとってはこれはかなりかっこいいと感じる。
獲物を狙うネコ科の動物というか、そういう精悍さや躍動感を感じる。
先代 NC型がぼてっと重たいデザインだっただけに、マツダの魂動デザインの流れを汲む現行モデルのデザインはより際立っている気がする。
ちなみに、うちのかみさんはあまり好きなデザインではないらしい。

コストパフォーマンス;7点
試乗した 990S ではなく、ある程度の今どき装備も欲しくて S Special Package というグレードに CD/DVD プレーヤ + シートヒーター、セーフティパッケージ、フロアマット、ナビ用の SDカード、ETC、ドライブレコーダ、バーグアラームをつけて、3,015,980円。
ディスクプレーヤとかシートヒーターとか必要ないのだが、セーフティパッケージ(クルーズコントロール、アダプティブヘッドライト等)をつけるとセットオプションとして 44,000円の余計なものがついてしまう...
私が NA型を購入した30年前と比べても仕方ないが、当時は車両本体で 180万円くらいだったことを思うと高くなったと感じる。
ファミリアのエンジンやルーチェのミッションを流用していたモデルと比べれば専用設計パーツが増えているし、安全装備は格段に充実しているし、これくらいの額になるのは仕方ないのだろう。
むしろ、これくらいで収まっているのが良心的と言えるかな。

アディショナルポイントは、これはもうオープンの気持ちよさで +3点
屋根がないことの開放感は、これはもう乗った人にしかわからないだろう。
言い方を変えると、オープンカーを「え~?」ってな目で見ている人でも、乗ればその良さを感じてもらえると確信する。
人の目が気になるという人もいるが、はっきり言って、周りの人はそんなにあなたを見ていない。もちろん私のことも見ていない。気にすることはない。
もうひとつ、オープンの宿命とも言える雨漏りが経年劣化で起こるのはかなり確率高いので、その分を -1点
最初のうちはいいが、年とともに少しずつリップの部分から浸みてくるようになるだろう。

総合;46点
軽さは正義だ。
先日乗ったシビックが無味無臭で印象が薄かったが、そう、運転の楽しさってこういうことだよなあと改めて実感させてくれる。
全ての動作が軽快でしなやか、スタイルと合わせてネコ科の動物が駆け抜けているみたいに。
クルマを運転する、走る、曲がる、止まる、の全ての操作が自分の手の中にあり、路面を感じ風を感じ、これぞまさにマツダが謳う「人馬一体」。
その魅力は、発売から 7年が経つというのに色褪せる感じが全くない。
以前は近くにかみさんのいとこが暮らしていたので3人乗車の機会がたまにあったが、今はそのいとこが実家のある地域に帰ったので、夫婦二人での生活であれば 2シーターでも問題はない。
唯一気になるのは、オープンならではの経時変化がどうなのか。雨漏り以外の部分で。
オープンカーとして設計されているので、それを考えて剛性を確保するように造られているのだが、これが 10年後も維持できているのかどうか。
NA型も、最初は剛性感がしっかりあったのだが、経年劣化でボディがだんだんきしむようになっていった。
やはり物理的な構造上、そういう不安がないわけではない。
けど、そんな不安を考慮しても、ポジティブに選ぶ理由があふれているクルマだと思う。


ちなみに、最近ロードスターの販売が好調で、毎月1000台以上売れているとか。
この手のクルマがこれだけ売れるのは極めて珍しいが、その多くが私のような50代以上の層だとか。
純内燃機関のクルマを MTで買えるのはもうそろそろ最後かもしれないということなのだろう。
気になる納期は、今注文すると5月中の生産に間に合い、6月中には納車できるだろうとのこと。
これまた半導体不足の影響はそこまで深刻ではなく、売れているとはいってもクルマ全体で見れば不人気の部類に入るからだろう。



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テリー

オープンカー、一度、乗ってみたかった車ですが、一度も乗ることはなく、車生活活を追えそうです。
by テリー (2022-04-20 23:12) 

おと

かっこいい車ですね~。この色も素敵だなぁと思います。
オープンカーって乗ったことがなくて知らなかったのですが、冬でもヒーターであたたかいんですね!こちらは、まだわりと寒いのですが、オープンで気持ちよさそうに走っている車が多いのは、そういう理由なのかと納得しました。
by おと (2022-04-21 04:52) 

Inatimy

ロードスターといえば、頭にユーノスがついていたなぁ、と思い出したんですが、そのブランド名、とっくに無くなってたんですね。
幌の部分の耐久年数とか、普段のお手入れも必要なのか、気になるところ。
何年か経つと色も褪せてくるでしょうしね。
カーナビ、ついてないのかな・・・そこも軽量化とか?
by Inatimy (2022-04-21 05:24) 

めぎ

この色はあまり好きではないですが、このデザインなら欲しいかな…
でも、300万円はうちとしては高すぎかな…パッケージ無しならどのぐらいなんでしょう。
日本ではドライブレコーダーもつけたりするのですね。
by めぎ (2022-04-21 06:22) 

YAP

テリーさん、おとさん、Inatimyさん、めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。

テリーさん、
レンタカーで借りられるところもありますので、そういうので楽しまれてはいかがでしょうか?
普通の車種を借りるより割高の料金設定ではありますが、ちょっと楽しむにはいいと思います。

おとさん、
冬のオープンはやせ我慢でも何でもなく、普通に快適ですよ。
夏は無理です。熱中症で死んでしまいます。

Inatimyさん、
ユーノスのブランド名がついていたのは初代モデルですね。
私が11年乗っていたやつです。
幌は7年くらいたったときに一度交換しました。
試乗したグレードではカーナビはオプションでもつきませんが、一つ上のグレードになればつけられます。

めぎさん、
一番安いグレードにオプションなしであれば、262万円くらいですね。
ドライブレコーダーは、日本ではおかしな運転をする人が多いので、自衛のために今や必需品になってきてます。

knackeさん、tochiさん、@ミックさん、鉄腕原子さん、xml_xslさん、ふるたによしひささん、熊太郎さん、nmzkさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-04-21 07:05) 

kuwachan

オープンカー、青空駐車だとやっぱり劣化が早くなるでしょうね。
オープンカー気持ちよさそうですが、日焼けが気になります(笑)

by kuwachan (2022-04-22 06:07) 

YAP

kuwachanさん、コメント & nice! ありがとうございます。
屋根付き駐車場が理想でしょうが、私は初代のモデルを青空駐車で11年乗ってました。
幌は一度交換しましたが、まあそれくらいですね。

リュカさん、sheriさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-04-22 06:58) 

ナツパパ

この車は以前から注目していて、じっさいほしかったです。
でも、わたしはオートマチックミッションの安楽ドライバーですので、
こういう車はそぐわないかな、なんて自己規制したりしていました。
今、車庫が一台分のスペースが空いてるんですよねえ。
最後のチャンスかもしれません。
by ナツパパ (2022-04-22 09:53) 

YAP

ナツパパさん、コメント & nice! ありがとうございます。
その気持ちがあれば、ぜひおすすめです。
たしかに MT で乗れば楽しいですが、AT では合わないなんてこともないと思いますよ。
マツダの AT はロックアップ域が広いのでダイレクト感がしっかりあるという話ですし。
by YAP (2022-04-23 06:41) 

miffy

ロードスター、カッコいいですよね。
オープンカーは気持ち良くて好きなんですけど、髪がボサボサになるのが嫌でした。
by miffy (2022-04-23 11:18) 

YAP

miffyさん、コメント & nice! ありがとうございます。
私もこのデザインは好きです。
風の巻き込みは、四代目にもなるのでけっこう計算されていると思います。
by YAP (2022-04-23 16:37) 

めぎ

この車、こちらでもネットで調べてみました。
990Sという名前のはなくて、MX-5かな。
即金払いだと27590ユーロと出てました。
日本よりちょっと割高ですね。でも、それに既に色々ついているような。
CO2のランクがEとなっていて、新しく買うには今の状況ではちょっと肩身狭い気がしました。でも、走るの楽しそう。
by めぎ (2022-04-24 19:50) 

YAP

めぎさん、重ねてのコメントありがとうございます。
990S はグレードの名前で、車名はロードスターになります。
その車名に相当するのが欧州では MX-5 ですね。
最近のマツダ車はグローバルで車名を統一する動きがあるので、ロードスターも日本でも MX-5 に変更してほしいです。
"ロードスター" って、ドロップヘッドのオープンボディを指すので、"セダン" とか "ハッチバック" とかのボディタイプを指す言葉と同義なんですよね。それが車名なんて、なんだか私には奇妙で。
ドイツでの CO2 のランクはそんなポジションですか。
見た目上は CO2 を出さない EV とかが A 扱いでしょうか?
完全に欧州の「政策」ですね...

hide-mさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-04-24 22:20) 

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