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次期愛車への道 '22 トヨタ・カローラスポーツ G "Z" [クルマ]

前回のレンタカーの記事からクルマ関係の記事が続くが、6月のうちに紹介したかったので。
今回の記事はレンタカーではなく、試乗の話。
私の人生で最後から二番目のクルマになるであろう次期愛車選び。



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久々の今回は、トヨタのカローラスポーツ。
カローラの名前がついているが、実質的にはオーリスの後継モデル。
現行モデルではセダンやワゴンと統一感のあるデザインとなっている。





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試乗させていただいたのは、1.2L 6MT の G "Z" という上級グレード。
試乗車にはオプションの AVS (Adaptive Variable Suspension system) が装備されていた。
カローラというと所謂大衆ファミリーカーの代名詞的存在で、最近の若い人には見向きもされず、平均的な購入者層は40代後半から50代以上、なんてここしばらくは言われていた。
しかしながら現行モデルではデザインを刷新、特にハッチバックのカローラスポーツでは CM に菅田将暉とか二階堂ふみといった若手を起用したことで、一気に若々しさを取り戻した気がする。





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リアもちょっと攻めたデザインであるが、子供っぽいわけではなく、これはありだと思う。
プレスのラインがハッチの扉とリアバンパーできれいに合っているのを見ると、トヨタの品質だなあと思わされる。





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エンジンは、4気筒 1.2L ターボ。
所謂ダウンサイジングターボで、1.8L 級の性能を出している。
最近は空冷のインタークーラーが多く、ラジエータの下あたりにマウントされることが多いので、こんな位置に目立って置かれている水冷のインタークーラーが珍しさを感じる。




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トランスミッションはもちろん 6MT。
ご覧のように、ちょっと懐かしさも感じるくらいの長さのシフトレバー。
ストロークもかなり大きめ。





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インパネ周りの様子。
特に印象的な部分はないが、センターコンソールのマルチディスプレイの大きさが目立つ。






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インパネはほぼフル液晶。
たしかタコメータの針だけは機械式だった。(文字盤は液晶)
あまり特徴的な部分はなく、今どきのスタンダードという感じ。





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試乗後に気づいたのだが、フロントガラスに車速等を投影するヘッドアップディスプレイもついていた。(見えづらいが赤い破線で囲んだ部分)
試乗時はこれを使用しない設定になっていたので気づかなかったのだが、降りた後にあれこれ外から見ているときにこの存在に気づき、最後に設定を変えて一枚だけ写真を撮った。





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カローラシリーズは、今流行り(?)のディスプレイオーディオがスタンダードとなっている。
Apple CarPlay と Android Auto がそのまま使える。
車載のカーナビとスマホアプリのカーナビはそれぞれ一長一短あるが、画面の大きさというスマホのネガを消すということでディスプレイオーディオは一つの解だと思う。
車内で聴く音楽はスマホからという人も多いと思うので、そういう点からしても。
私のように、スマホと音楽プレーヤ (iPod touch) を別体で持ちたい人はちょっと考えなければならないが。
エアコンは、左右独立制御。
もうこのクラスでもそれくらいのかつての豪華装備が当たり前になっている。





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この G "Z" という最上グレードは、シートのグレードが上がっていて、特にサイドサポート部がよりしっかりしている。





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5ドアなので、リアシートへのアクセスも良好。
ポップが置かれたままで撮ってしまったが。
足元も十分なスペースがありそうだ。





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このクラスのクルマになると、荷室容量も十分大きい。
夫婦二人世帯では完全に持て余してしまうほど。


では、試乗時の感想を。

ストロークの長いシフトレバーを 1速に入れて走り出そうとすると、あまりにも簡単にスムーズにクラッチがつながり静かに発進した。
このクルマのトランスミッションは iMT (インテリジェントマニュアルトランスミッション) といって、ドライバをアシストするための仕掛けがいろいろ入っている。
そのうちの一つが、発進時のアシスト機能で、クラッチの操作を見て制御側でエンジンのトルクをエンストしないようキープすることでギクシャクすることなく発進できる。
最近のクルマはほぼすべて電子制御スロットルなので、発進時クラッチをつなぐときにトルクが足りなくてエンジン回転が落ちかけても回転を戻すためにトルクを出しにいくようにはなっているが、この iMT はフィードフォワードでクラッチミート前からアシストするという考え方で制御している。

発進後、2速、3速とシフトアップしていくが、ペダルやステアリングとの位置関係からセットした自分の運転ポジションからだと、シフトレバーの位置が後ろに感じ、ストロークの長さも重なって左の脇を妙に開いて操作しなければならないのがとても気になる。
ステアリングのテレスコピックを限界まで手前に引いて、シートバックを少し倒せばもう少し操作しやすくなるかもしれないが、自分の普段の運転姿勢とはかなり離れたものになるだろう。
小柄な女性だと、ペダルとの位置関係でもっとシートの位置を前に出さなければならないだろうから、そうなるとかなり無理な姿勢になりそう。

エンジンは 1.2L とはいえターボなので、1,300kg を超える大柄ボディでも非力さは感じない。
2000rpm 以上をキープしておけばしっかり踏んだだけトルク感を持って加速するし、必要にして十分。
交差点を曲がるときのシフトダウン時も走行モードを "SPORT S" にしていると iMT がブリッピングによってエンジン回転を合わせてくれるので、超絶スムーズにシフトできる。

カローラ系という位置づけからか、足回りは固すぎず柔らかすぎず、快適で安心感もある。
ステアリングを切っただけ素直に反応するし、クルマの動き方としては私の好みだ。
ブレーキは、踏み始めの最初のところだけ、ちょっときつい減速感が出るのが気になった。
東北旅行のレンタカーで借りたカローラセダン HV もブレーキで同様の感覚があり、HV 故の回生ブレーキの効き方なのかなと思っていたが、どうやらそうではなく、カローラシリーズ共通の挙動のようだ。
不自然なカックンブレーキのようなほどの感じではないのですぐに慣れはするが、他のクルマに乗り換えるような機会があるとたぶん違和感が出るだろう。
実際、試乗を終えて自分のクルマで帰るときの最初のブレーキの踏み始めで、試乗車に合わせた踏み方になってしまっていたせいで効き始めが弱く感じてちょっと踏み足した。


それでは、いつものように私の偏見による採点を。


エンジン;7点
カタログ上の全開性能は、85kW@5200~5600rpm / 185Nm@1500~4000rpm。
インターセプトポイントが 1500rpm と低いことからも、このエンジンの扱いやすさがわかる。
車重が 1,330kg となかなかの重たい子だが、それでもこれで十分に余裕を持って走る。
WLTC モード燃費は 15.8km/L。
1.2L のダウンサイジングターボ車なら、もう少し燃費が良ければと思う。
ドライブモードを "SPORT S" にすると、アクセルペダルに対するトルクの出方がアグレッシブになるように設定が変わり、かなりきびきびした加速感となる。
エンジン性能は変わらないもののこういう設定でドライバに錯覚させるというのは最近はよくある手法だが、こういうのも電子制御でいろいろできるようになった恩恵だ。

トランスミッション;6点
前述のように、時代遅れに感じるストロークの長さとそのポジションの違和感でかなり評価は下がってしまう。
一方、iMT はとてもスムーズでシフト操作が楽しくなるほどの出来の良さ。
それら相殺されて標準的な点数に。
なんかちょっと残念なんだよなあ...

操安性;7点
カローラ「スポーツ」ではあるが、東北旅行で借りていたカローラセダンとひじょうによく似た乗り味。
まあ、同じプラットホームを使ったシリーズモデルなのでそりゃそうか。
それが悪いと言っているわけではなく、むしろ快適すぎる。
もう少しスポーツハッチバックらしく固めに振ってもよかったのではないか。
オプションの AVS がついていたので、ドライブモードを "SPORT S" のさらに上、"SPORT S+" にしたらロールを抑えるようにサスペンションの設定が変わるということだが、街乗りの試乗ではあまり変化を感じず。
だからといって、運転していて物足りないわけではない。
これはこれで乗っているうちに馴染んでいくであろうことは間違いない。

デザイン;8点
セダンだと攻めたデザインにも見えるが、ハッチバックになるとやはり位置づけがスポーティに寄ってくることからか、けっこうこのクルマのキャラに合っているように思う。
1,790mm という堂々としたボディだが、もう 5ナンバーサイズがどうこう言う時代じゃないのだろう。

コストパフォーマンス;8点
試乗した一番上の G "Z" グレードにブラインドスポットモニター、リヤクロストラフィックアラートといった運転支援装備と、ナビの一番安いヤツ、ETC、ドラレコ、防犯アラームをオプションとしてつけて、車両本体価格は 2,858,040円。
今のクルマの価格相場を見れば、お得な部類に入るだろう。

アディショナルポイントは、特にプラスもマイナスもなし。

総合;36点
クルマとしてはやや特徴が薄い感もあるので、こういう点数になるのは妥当なところかな。
ただ、乗り続ければじわじわと気に入っていきそうな、スルメ的な味を持ったクルマだという予感はする。
ところがここで一つ大きなポイントが。
なんとこのカローラスポーツの MT車は、ただいまオーダーストップだとのこと。
正確に言うと、MT だけではなく、カローラシリーズ全体がオーダーストップ中。
間もなくマイナーチェンジが入るということと長く続いている半導体不足で製造が止まっているようだ。
しかも、そのマイナーチェンジで 1.2L ターボモデルは廃止され、それに代わるパワートレインとしては 2.0L NA になり、さらには MT の設定はなくなるそうだ。
担当していただいたお店の人の話では、この MT を買う人は、ひとつの販売店で 3~4か月に一人くらいとのこと。
いくらモリゾウ社長が力を入れようとも、市場のニーズがそういうことだから仕方がない。
この試乗車も、私が乗った日の翌日に引き上げられるとのことで、最後の試乗チャンスに乗せてもらった、そんな感じになってしまった。
いちおうその日時点で全国に MT車の在庫が 10台くらいはあるようで、その中から選ぶのであれば納車は早そうだ。
カローラシリーズはマイナーチェンジ時期が来るという理由でオーダーストップ中だが、他のモデルでも半導体不足による製造の遅れで納車時期が全く読めなくなってきたという理由でオーダーストップ中になっているものも多いそうだ。
むむ、これは早く動かなければ大変なことになるのかな...?

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コメント 9

kuwachan

マルチディスプレイの大きさが気になりました。
確かに画面を大きい方が見やすいですが
運転していてこの大きさでも邪魔な感じはなかったですか?
人気のある車の納期はかなり先になっているようですね。
私の友人の親戚の方は注文ができないので取り敢えず中古車を買ったとか・・。
人気車種はかなり厳しい状況のようですね。
by kuwachan (2022-06-30 06:16) 

めぎ

ディスプレイ、かなり大きいですね。これ、要らないなあ…
車業界はそんなに半導体の問題が深刻なのですね。
この先カメラもPCも大丈夫かなあ…
しばらく買う予定はないですが、買いたい時に買えないのは困りますよね。
by めぎ (2022-06-30 06:39) 

YAP

kuwachanさん、めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。

kuwachanさん、
ディスプレイは気になるというほどではなかったです。
試乗の短い間ではナビも使わないですし、実際の使い勝手はちょっと判断できませんでした。

めぎさん、
カメラも PC も既に影響が出始めてますよ。
PC は全体的に価格が上がってますし、カメラやレンズも人気のものは納期待ちみたいなのもあるようです。
この先も価格はしばらく上がっていくかもしれません。

ふるたによしひささん、tochiさん、熊太郎さん、@ミックさん、鉄腕原子さん、nmzkさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-06-30 08:01) 

ナツパパ

やはりカローラのアップデートはすごいですねえ、トヨタさんの本気を感じます。
こういう車は使っていくうちに慣れて、いつしか自分のものになっていくのでしょうね。
使いこなす、もしくは育てる愉しさ、はもう古いのかな。
by ナツパパ (2022-06-30 08:58) 

Inatimy

シート、座り心地が良さそうな。
青森・岩手の旅のレンタカーもカローラでしたよね。比較項目が多少違えど、
その時のハイブリッド車の方が総合点が高いんですね。
今のところ、一番総合点が高いのはマツダ ロードスター RFですね^^。
by Inatimy (2022-06-30 18:47) 

おと

半導体不足の影響、広がってきていますね。
お目当ての車がオーダーストップになったりしたら、がっかりですよね。満足いく愛車が手に入りますように!
by おと (2022-06-30 19:03) 

YAP

ナツパパさん、Inatimyさん、おとさん、コメント & nice! ありがとうございます。

ナツパパさん、
トヨタはモリゾウ社長になってからずいぶん変わった気がします。
社長自身がクルマ好きですから、自分が乗りたいクルマを作って売りたいという気持ちが表れている気がします。

Inatimyさん、
いいところにお気づきで。
ハイブリッドのエンジンとモータの協調制御の素晴らしさが一気に得点をかさ上げしました。
工業製品としての完成度がすごかったです。

おとさん、
ほんと、世界の自動車生産はどうなってしまうのか。
一方、その元凶となっている半導体業界は完全な売り手状態でうれしい悲鳴が出ているようです。

リュカさん、knackeさん、sheriさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-07-01 07:01) 

kyon

試乗はほとんどしたことがないのですが、以前アクアの試乗をして低くて後部座席の乗り降りはしづらかったのでやめ、プリウスにして以来ずっと乗り続けています。
トヨタ車はやっぱりいいですよねぇ。
by kyon (2022-07-03 14:31) 

YAP

kyonさん、コメント & nice! ありがとうございます。
トヨタ車は安定していますね。
こんなに納車までの納期が長くなっても、トヨタだけは他に客が逃げていかないみたいですよ。

gillmanさん、ぼんさんさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-07-03 16:49) 

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