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次期愛車への道 '22 マツダ ロードスター RF VS Terracotta Selection [クルマ]

私の人生で最後から二番目のクルマになるであろう次期愛車選び。


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今回は、マツダのもうひとつのロードスター、ハードトップを纏ったロードスター RF。
RF は、リトラクタブル・ファストバックの頭文字をとったもので、開閉式のハードトップを持つ。
前回、ソフトトップのロードスターを試乗したので、その余韻を忘れぬうちに RF の方も比較しようと。




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試乗させていただいたグレードは、昨年追加された VS Terracotta Selection。
はじめにお断りしておくと、今日の記事の写真は構図がずれていたり、私の指がレンズにかぶっていたり、まあひどいもんである。
言い訳をすると、あまりに天気が良く、スマホの画面が外の明るさでよく見えず、十分に確認できない中での撮影であったため。
この写真も、クルマ全体を撮ったつもりが収まっていない...





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RF の美しさは、何と言ってもこの角度からのリアビュー。
幼少期にスーパーカーブームを体験したおじさんには、ミッドシップスーパーカーを彷彿させるクオーターパネルのデザインがたまらない。
オープンカーはどうしても幌をしているときのシルエットが今一つだが、こいつはクローズでも美しいクーペスタイルを保つ。





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ハードトップは雨漏りの点でも防犯の点でも、ソフトトップに勝る。
難点としては、電動機構を持つが故に、ソフトトップの同等グレード比で 80kg 程度の重量増となるところ。
軽さによる運動性能の良さを前面に出しているモデルとしてこの重量差は大きいが、それでも 1,100kg なので十分なほどに軽い。
さらにその点を補うために、ソフトトップ車のエンジンが 1.5L なのに対し、こいつは 2.0L を積んでいる。





ルーフ開閉のギミックを YouTube の【クルマ比較ch】より。




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こちらがオープン時の姿。





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斜め後ろからの眺め。
ソフトトップがフルオープンになるのに対し、RF はルーフの一部が残るタルガトップ風のシルエットになる。





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この写真も、レンズに指がかかってしまってる。
iPhone で写真を撮るのは、構えが難しい。
この VS Terracotta Selection は、素焼きの焼き物を意味する "テラコッタ" の色をイメージしたナッパレザーをシートに採用している。
エレガントなインテリアで上質さを演出している。




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分割したルーフを見事なほどにきれいに収納している。





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前述のように、エンジンは 2.0L の SKYACTIV-G。
マツダ 3 にも搭載されている 2.0L と同型ではあるが、ソフトトップの 1.5L と同様に、ロードスター専用の高回転化アイテムが織り込まれている。





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トランスミッションはソフトトップと共通。
そちらの記事と同じことを繰り返してしまうので多くは書かないが、とにかく絶品。





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シートの色が明るいので、室内の雰囲気もかなり明るくなる。





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シートからの景色はソフトトップと共通。
前回試乗した 990S との違いは、マツダコネクトの液晶ディスプレイとステアリングホイール上のクルーズコントロールスイッチが追加されているところくらい。
ドライビングポジションは、マツダらしくビシッと決まる。





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センターコンソールまわり。
マツダコネクト用のコマンダーコントロールがシフトノブ後方に。
走りに専念するために一切触ってないのでコメントはできない。




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ナビはそれ用の SD カードをオプションとしてつけることで機能するが、Apple CarPlay や Android Auto も利用可能。





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トランクの大きさチェックのために、スーツケース2個を持ち込み。
ソフトトップの試乗のときに廃棄前のスーツケース2個が入ることを確認したのだが、新調したスーツケースがいずれも前に使っていたものよりも微妙に大きいため、これは重要なチェックポイントになった。
いちおう、2個重ねて入りはしたが...





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トランクを閉じようとしたらギリギリ干渉して閉じない。
無理に押し付ければ閉じる可能性はあるが、試乗車だし無理なことまではせず。
もしこれを購入することになれば、そのときに考えるとしよう。



それでは試乗開始。
まずは、クローズド状態で走り出す。
ハードトップによる快適さも確かめるために。
ソフトトップに比べて(と書きつつ、ソフトトップを閉じた状態での試乗はしなかったが)静かな室内を予想していたが、あまりそういう感じではなく、RF と言えどロードスターはロードスター、エンジンは主張を持ってしっかりと音を聞かせ、ロードノイズもそれなりにある。
こういうクルマなのでそこに不満があるわけではなく、単純にハードトップの車内がどんなものかというのを知りたかった。
途中、信号停車時にルーフをオープンに。
これは意外な発見だったが、このタルガトップ風にルーフの一部が残る形であるものの、オープン時の開放感はソフトトップとほとんど変わらない。
リアクオーターパネル部が残っている分、左折とか車線変更の目視確認時に視界の差を感じるのは物理的に仕方ないが、それくらいで大きな問題ではない。
十分にオープンエアの楽しさを満喫できる。
事前にあれこれ動画とか口コミを見ていて、ソフトトップと比較すると軽快感というより重厚感がとか、別のクルマと考えた方がいいとか、そんなコメントを多く見たのだが、私は全く逆の印象を持った。
つまり、これもロードスターのバリエーションとして、しっかりとらしさをキープしている。
トランスミッションは共通なのでそこに差を感じないのは当然として、軽快感はソフトトップに劣ると言われるハンドリングやエンジンは、少なくとも試乗した街中 + わざわざ遠回りでコースを設定してくれたプチワインディングでは文句なし。
排気量アップでトルク感の増したエンジンはアクセルペダルに素直に呼応して回転が上がっていくし、コーナーリングは自分の狙ったラインを一発でトレースしてくれる。
普段、1,200kg FF の DS3 なので、1.6L ターボよりもトルク・出力ともに劣ってはいても車両全体の運動性能は圧倒的にロードスター RF の方が高く、「人馬一体」感にあふれている。
箱根ターンパイクとか伊豆スカイラインのような道で、ソフトトップと RF を同時に乗り比べればいくらかの差が出てくるのかもしれないが、少なくとも今回の試乗した範囲では、十分に俊敏だし軽快だし +80kg のハンディは感じなかった。
そもそも、80kg の差で大きく乗り味が変わるのだとしたら、大柄な人を助手席に乗せるかどうかで変わるのか?という話だ。



では、恒例の私の個人的偏見による採点を。

エンジン;9点
全開性能スペックは、135kW@7000rpm / 205Nm@4000rpm。
ソフトトップの 1.5L に対して、車重差を補って余りあるほどトルクフルなので、その分、回転が下がってもシフトダウンせずに高いギアのままで楽々走ってくれるので、そういう乗り方をすれば多くの口コミや評論のコメントのようにキャラの差につながるのかな。
私のように 2000rpm 以上をキープしながら乗るようなタイプには、そのままパワーアップの恩恵を感じる。
マツダ 3 の 2.0L でもエンジンの気持ちよさを感じたが、それをかなり上回る良さ。完全に別モノと言っていい。
カタログ燃費は WLTC モードで 15.8km/L。
2L でこの燃費はけっこういい。

トランスミッション;10点
今更書くこともないほど。
最高。

操安性;10点
これも何を書いたとしてもソフトトップの試乗記事で書いたことと丸被りするだけなので書くことは多くない。
車重増 + ルーフ部で重心がいくらか高くなってしまうことでの乗り味の変化があるかと思っていたが、ストリートスピードでは問題なし。
ひらひらとしなやかな軽快感は健在で、運転するのがとにかく楽しい。
ハンドリングはクイックだし、ブレーキのタッチや効きも良好。
プチワインディングのカーブが切り返すような道でも、左右の荷重のかかり方がわかりやすいのでしっかり移動させながら安定した姿勢で駆け抜けることができる。

デザイン;10点
もともと好きなデザインのロードスターのマスクに、ミッドシップスーパーカーを彷彿とさせるリアクオーターパネルのデザイン、オープン時のタルガトップ風の佇まい、全てが美しく感じる。
ソフトトップの試乗記事でも書いたが、うちのかみさんはやっぱり好きではないようだが。

コストパフォーマンス;5点
試乗したグレードはナッパレザーのシートだったが、私はシート表皮は布の方が好きなので、ベーシックなグレードの S にフロアマット、ナビ用の SDカード、ETC、ドライブレコーダ、バーグアラームをつけて見積もりを出していただいた。その結果、3,666,009円。
ソフトトップの同名グレードよりも標準装備が充実しているので、あまり後付けするものがない。
同レベルの装備としたときにソフトトップとの比較で +60万円くらい。
エンジンが 2.0L になっているし、電動のハードトップがついているし、妥当な価格差と言えると思う。
が、時代とはいえ、ロードスターが 300万円台後半か...という思いはある。
スポーツカー不遇の時代に存在そのものが貴重ではあるが、若者にも手軽に買えるコンパクトなスポーツカーという初代 NA型デビュー時のコンセプトを考えると、ちょい厳しめの点数とした。

アディショナルポイントは、ソフトトップと同様にオープンの気持ちよさで +3点
ハードトップということで、ソフトトップよりも雨漏りの心配はないだろうし、そういう快適さも兼ね備えているのがいい。

総合;47点
ソフトトップのロードスターと RF は完全に別のクルマ、という声が多いようだが、私は同じベクトル上に存在するグレード違いくらいにしか感じず、こいつもまた「人馬一体」を存分に感じられるライトウェイトスポーツカーだと思った。
クルマの挙動がとにかくわかりやすく、まるでずっと自分の愛車であるかのような、そんな錯覚さえ湧いてくる。
低い着座位置とオープンエアで体感速度は速く、速度を出さなくても楽しい。
ハードトップならではのクローズ時の安心感、(おそらく)ソフトトップよりも長く維持できる剛性、スーパーカールックなデザインも相まって、RF を積極的に選択する層は一定数いるだろう。
試乗コースは一般道のみでソフトトップとの決定的な差はさほど感じなかったが、高速道に入ると 2.0L + ハードトップの差が出てくるかもしれない。
おそらく、数年後には次期モデルの NE型が出るのだろうが、それに RF のようなハードトップモデルが設定されるとは限らない。
純内燃機関のこういうモデルが買えるのは、今後数年先までと思われるので、今はほんとに貴重な最後の購入チャンスではないかと思う。

マツダはこのロードスター以外のモデルの車名をグローバルに統一した。
どうでもいい話ではあるが、個人的にはこのロードスターも "MX-5" にしてくれないかなと思っている。

そもそも "ロードスター" というのはクルマのボディ形状の一つで幌を持つ2ドアのものを指すので、それを車名としているところに昔から違和感がある。
"セダン" とか "ハッチバック" がそのまま車名になっているようなもの。
まあ、テスラ・ロードスターとか、過去にはクーペ・フィアットとかあったりはしたが。
ロードスター RF みたいな形状だと、"ロードスター" 感がないんだよなあ...

気になる納期は、ざっと4か月くらいかかるらしい。
今まで試乗したクルマの中では一番長いが、生産台数がソフトトップよりも少ないだろうし、今まで試乗したモデルにしてもここ数か月で事情が変わっているかもしれない。
とにかく半導体の供給状況は改善の兆しが見えない。






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ナツパパ

この車、トヨタに昔あった「ヨタ8」に似ているように感じます。
コロンとした姿が良いですね。
オープンにした際の閉塞感が気にならないほどならば、ハードトップとしての、
こちらの方がより使い勝手がよさそうです。
このロードスター、いいなあ、と前から思っているんですがねえ。
by ナツパパ (2022-05-22 19:15) 

めぎ

前回の車はソフトトップという時点でうちのドイツ人にすぐ却下されましたが、ハードトップもあったのですね。それならいけそう。
うちの車への予算としてはちょっと高いけど、うちのドイツ人もまだしばらく運転できるうちに、そして自分が現役でお金の余裕があるうちに、15年ぐらい使えそうでそこそこ良い車を買っておきたいなという気持ちがあります。
ただ、今の車、10年以上経つのにすっごく元気なんです。だから今すぐ買い替えようという気も起きなくて。
by めぎ (2022-05-22 20:37) 

YAP

ナツパパさん、めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。

ナツパパさん、
たしかにヨタハチとよく似たクオーターパネルの形状ですね。
あれは完全にタルガトップでしたが、このロードスター RF はオープン時にリアガラスも格納されるんですよ。
それもあって、風の流れ方はソフトトップのオープンと変わらず開放感ありました。

めぎさん、
このロードスター (MX-5) というクルマは、ソフトトップのボディが大前提でこちらのハードトップは派生モデルなので、今後モデルチェンジしたときにハードトップも用意されるかは不明です。
買えるときに買っておけばというモデルは振り返ってみると過去にもたくさんありますが、高い買い物ですから今のが気に入っているのであれば、大切に長く乗られることをお勧めします。

xml_xslさん、tochiさん、knackeさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-05-22 22:09) 

kuwachan

ぎゅっと引き上げるサイドブレーキなんですね。
今乗っている車は電動のパーキングブレーキになってしまったので
力がいらないのはいい点なんですけど、ずっと引き上げるタイプだったので
なんか物足りないんですよ~(^^ゞ
by kuwachan (2022-05-23 00:24) 

YAP

kuwachanさん、コメント & nice! ありがとうございます。
最近は電動パーキングブレーキが増えましたね。
このクルマはジムカーナ等の競技でも使う人が多いでしょうから、引き上げるタイプのパーキングブレーキが必須です。

ふるたによしひささん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-05-23 06:49) 

リュカ

オープンカーって乗ったことがないので
いちど乗ってみたいです^m^
なんか憧れww
by リュカ (2022-05-23 13:33) 

Inatimy

トランクの広さ、スーツケース2個が入らないとは・・・。
2シーターだと室内が窮屈なイメージがあるんですよね。オープンにできるのも季節や天気、花粉などで限られてくるし、シートを倒せないのもちょっとツラいかな^^;。
フォルムもカッコいいし、ボディの色とシートのテラコッタのイルの組み合わせも好きなんですけど・・・悩むなぁ。
by Inatimy (2022-05-23 17:00) 

おと

ルーフ開閉ってこんな風なのかと、つけて下さった動画を見ました。綺麗に収納されるんですね。美しいシルエット。春になって、ルーフ開けて走っている車をよく見かけます。年齢も性別もいろいろなんですが、かっこいいなぁと、つい見ちゃいます。お洒落な方が運転していることが多い気が、、気のせいかな。

by おと (2022-05-23 18:11) 

YAP

リュカさん、Inatimyさん、おとさん、コメント & nice! ありがとうございます。

リュカさん、
バイクが好きな人であれば、オープンカーも好きだと思いますよ。
風を感じながら走るのは気持ちいいです。

Inatimyさん、
2シーターは「窮屈なイメージ」ではありません。「窮屈」なんです。
シートが倒せる角度も限られますしね。
そういう割り切りができるかどうか、そこを考えずに購入すると、後悔することになると思います。

おとさん、
私は若い人よりも年配の人の方が似合うと思います。
以前は子供ができるまでの限られた期間しか楽しめないものと思っていましたが、子供もできなかったし歳もそれなりにとった今だと、また楽しめそうかなと思ってます。

@ミックさん、鉄腕原子さん、sheriさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-05-24 08:05) 

テリー

こういうオープンカーもあったのですね。
オープンカーのカッコよさという点では、ソフトの方がいい感じです。
ハードは、エンジンが2000cc なら、パワー的に、こちらの方がいいような気もします。

by テリー (2022-05-24 11:09) 

YAP

テリーさん、コメント & nice! ありがとうございます。
たしかにソフトトップの幌はオープンカーならではの雰囲気がありますね。
いろいろ考えどころです。
by YAP (2022-05-25 06:49) 

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