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名古屋 1泊2日 おっさん一人旅 トヨタ博物館 その5 [国内ウロウロ]

2月最後の週末に出かけた名古屋1泊2日おっさん一人旅。

トヨタ博物館のその5、最後の回です。
その名の通りトヨタの企業博物館だが、展示車両はトヨタ車に限らず、世界中の名車が並ぶ。
展示車両が多く、かなり絞ったつもりでも相当な量になったので、5回くらいの記事に分けて、それでも一つの記事の写真の量が多くなってしまうのだが、興味のない方は適当に流していただければ。
大体は年代順に展示されているものの、きれいにその通りになっていない部分もあるので、写真も多少時代を前後する。
車名は、展示されていた説明パネルの表記に準じている。


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トヨタ ソアラ MZ11 型
1981, 日本
直列6気筒 DOHC, 2759cc

一世を風靡した "ハイソカー" の先駆け的モデル。
美しいクーペモデルはとにかく売れた。
これが世に出た頃、まだ子供だった私は日産派だったのでソアラの対抗馬的モデルだったレパードを応援していたが、子供心にも太刀打ちできないことは気づいていた。




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トヨタ エスティマ
1993, 日本
直列4気筒 DOHC, 2438cc

1 ボックスカーの歴史を塗りかえたと言ってもいい、"天才タマゴ"。
エンジンはミッドシップ。
発表された当時は、相当な未来感があった。
その後、モデルチェンジのたびに平凡化し、ついには絶版になったのは残念。




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ホンダ NSX NA1型
1991, 日本
V型6気筒 DOHC, 2977cc

バブル時代、日本の自動車業界が最も輝いていたと言ってもいいかもしれない頃、ホンダが世に放ったミッドシップスーパースポーツ。
1000万円級でありながら、2年とか3年とかの納車待ちとなるほど(生産の絶対数が多くないということもあるが)人気だった。






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リアもスタイリッシュで、ヨーロッパのスーパーカーと比べても遜色ない。




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トヨタ カローラ レビン AE86 型
1983, 日本
直列4気筒 DOHC, 1580cc

この型からセダンは FF になったが、クーペ / ハッチバックは FR を維持。
それもあって爆発的に売れたし、今も伝説的になっている。
カローラ派生なので安かったし、今はこの手頃感のモデルがないのが寂しい。




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兄弟車のスプリンター・トレノはリトラクタブルライトという見た目にキャッチーなアイコンがあったが、レビンの方は開閉式のフロントグリルを装備。
実際の効果は微妙なところだとは思うが、こういうちょっとしたギミックを装備したモデルはこの頃けっこう存在していた気がする。




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メルセデスベンツ 190E W201型
1989, ドイツ
直列4気筒 OHC, 1995cc

日本の 5ナンバー規格のベンツとして、バブル当時はけっこうからかわれたモデルではあるが、エンジニア的にはこれは相当に優れた質実剛健なモデルだと思う。
まじめなドイツ人がまじめに造ったのがよくわかる。
特に DTM (ドイツツーリングカー選手権)のベースモデルとなった 2.5-16 は、羊の皮をかぶった狼的な存在。





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レクサス LS (LS400)
1990, 日本
V型8気筒 DOHC, 3968cc

レクサスブランド展開当初は日本ではそのままトヨタブランドで継続され、LS はセルシオの名で販売されていた。
トヨタの高級車モデルにはクラウンがあり、その上となると皇室でも使用されるセンチュリーとなる。
セルシオはパーソナルユースのフラッグシップ的な位置づけだったが、'05年から日本にもレクサスブランドの展開が始まる。




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ニッサン スカイライン GT-R BNR32 型
1989, 日本
直列6気筒 DOHC ツインターボ, 2568cc

16年ぶりに復活した GT-R。
6気筒 DOHC にツインターボ、電子制御式の 4WD システムで、国内ツーリングカーグループA では無敵を誇った。
このクルマは私が新卒で入社した会社の社有車にあったので、出張時等、けっこう運転した。
公道で走る速度域では全く不安を感じない安定感。
猛烈な加速で高速道路の進入合流も楽々。




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ユーノス ロードスター
1989, 日本
直列4気筒 DOHC, 1597cc

私が社会人になった後、初めて新車で購入したクルマ。
このモデルの大ヒットにより、世界中各社がライトウェイトオープンスポーツを雨後の筍の如く次々と開発・販売した。
それらのほとんどは短命で終わったが、ロードスターはモデルチェンジを繰り返し今も四代目モデルを販売中。
と書きつつも、このクルマも出始めの頃は、ロータス・エランのパクリだと言われたりもしていたが。
オープンのボディはこのモデル専用設計だが、エンジンはファミリア用の 1.6L から、トランスミッションはルーチェから、それぞれ小改良で流用することでコストを抑えて、若者にも手が届く価格帯で販売したというのもヒットの理由。





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11年を共にしたコクピットが懐かしい。
展示車はモモ製ステアリングホイールのスペシャルパッケージ仕様。





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レクサス LFA (プロトタイプ)
2009, 日本
V型10気筒 DOHC, 4805cc

レクサスブランドのスーパースポーツとして、世界限定 500台の生産。価格はたしか 3500万円くらいだった。
4.8L V10 エンジンはヤマハの開発・生産で、このときの東京モーターショーではエンジン単体をヤマハブースで展示していた。
ヤマハ製エンジンを搭載したトヨタ/レクサスのモデルは多々あるが、せいぜいエンジンのフロントカバーに "YAMAHA" の刻印が入っているくらいで、ほとんど表向きには公表していない。
よくトヨタがヤマハの展示に合意したなと思った。




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トヨタ プリウス
1997, 日本
直列4気筒 DOHC + 1CM, 1496cc

世界初の量産ハイブリッドカー。
今は当たり前に街にあふれている HEV も、このときはほんとに革命的だった。
私も勤務先でテスト車両として購入したものを運転したが、最初のモデルでありながら従来の内燃機関のクルマと比べての違和感のなさに驚いた。
その後トヨタは自社のハイブリッドシステムを洗練させていきこの技術では独走状態に。
それが欧州の自動車メーカには脅威となり、その焦りがフォルクスワーゲンのディーゼルゲート事件につながり、今の政治的 EV 指向へとつながっている。




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ホンダ インサイト
2004, 日本
直列3気筒 OHC モーターアシスト, 995cc

プリウスの発売後、ホンダが対抗して発売したハイブリッドモデル。
カタログ上はプリウスのモード燃費を上回ったが、軽量化のために二人乗りとしたり、後輪をスパッツでカバーしたり、相当無理をしていた。
仕上がりの方もプリウスとの差は歴然。
思えばこの頃からホンダとトヨタの技術差が開き始めた気がする。





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三菱 アイミーブ
2011, 日本
永久磁石式交流同期モーター

この頃から EV もちらほらと。
このモデルは通常のエンジン車を先行して発売、その後、EV モデルを発売したが、そちらの方が本命だった。





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テスラ ロードスター スポーツ
2010, アメリカ
三相交流四極誘導電動機

プロトタイプはロータス・エリーゼのボディにモータを搭載していたが、市販モデルでもそのデザインを維持。
この頃はテスラもいつまで続くかと考える人も多かった(私もそうだった)が、今も飛ぶ鳥を落とす勢いが続いている。





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トヨタ MIRAI
2014, 日本
交流同期電動機(永久磁石式)

長く引っ張ったトヨタ博物館の記事で最後を飾るのは、世界初の燃料電池車。
その価格と限定される水素供給網で普及するにはまだまだ道が長そうだが、車両としてのゼロエミッションやエンジン車並みの航続距離と燃料充填時間で、期待は大きい。






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一通り見た後、隠れたようなスペースにおもしろいジオラマ展示が。
クルマの開発プロセスとなっているが、主には車両側の視点(そりゃそうだ)で作られているので、エンジン屋には新鮮な視点。




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(左)アイディアスケッチ
(右)縮尺クレイモデルの製作
まずはデザイナーの頭の中を実現性は考えずに形にしてみる。




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(左)フルサイズモデルの製作
(右)外装部品モデルの製作
採用されたデザインを原寸大のモデルに。



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(左)室内デザインの検討
(右)デザイン審査・承認
ここで正式なデザインとして承認される。



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(左)CAD によるデータ処理
(右)試作車の組み立て
この辺から図面に落としていき、実際に走行する試作車へ。




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(左)カラーデザインの検討
(右)評価と走行テスト
小さい写真で見えづらいが、エンジン屋にとっては右の写真の奥にあるような継ぎ接ぎのはりぼてみたいな試作車を扱うことが開発初期の頃は多い。
とりあえず「動く」クルマでエンジンを評価する必要があるので、最初はとにかく走りさえすればいい。



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完成品と品質管理
めでたく新型車として完成。
新型車を開発する期間は各社それぞれだが、ちゃんとしてるメーカは開発期間も長くしっかりとして開発をするし、開発期間が短いメーカはいろいろ雑だし評価項目も少ないし、完成車の品質の差は歴然。
どのメーカがどうだとかは書かないが。




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日本の企業博物館は欧米のものに比べるとどうしても見劣りするが、このトヨタ博物館は自社モデルのみならず、世界中から歴史的な名車を多く集めているし展示も美しく、世界に胸を張れるレベルにあると思う。
国内で同じようにしっかりとした企業博物館は、自動車メーカではホンダのツインリンクもてぎ内のコレクションホールくらいではないかと思う。


おまけ

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トヨタ セリカ GT-Four (ST-205)                                       トヨタ カローラ WR-Car (プロトタイプ)
1995年 ツール・ド・コルス優勝車(レプリカ)        1997年

ミュージアムショップのある別館に期間限定で展示されていたラリーカー。
今はヤリスが大活躍している。


長く続いたトヨタ博物館の記事はようやく終わり。
次回、帰路の様子を少し書いておっさん一人旅の記事も終了予定。



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めぎ

レクサスってものすごく新しいブランドのようなイメージでしたが、もう結構経つんですね。
5ナンバーとか、懐かしい響きです。
by めぎ (2023-04-17 03:13) 

おと

いろんな車を見ることができて楽しかったです。
これからまた時代と共に、どのように進化していくのでしょう〜。
これだけ出そろっても、まだまだ画期的なデザインなどが現れるのか、素人ながら興味があります^ ^
by おと (2023-04-17 04:23) 

YAP

めぎさん、おとさん、コメント & nice! ありがとうございます。

めぎさん、
日本では '05年からですが、世界的には '89年からだったと記憶しています。
もうかなり歴史を積み上げてます。

おとさん、
EV の時代になると、デザインの自由度が増しておもしろいのがいろいろ出てくると思います。
今の EV はまだ従来のクルマのデザインから抜け出た感じはないですが。
ただ、EV の時代が来るのかどうか...

tochiさん、xml_xslさん、kameさん、ふるたによしひささん、鉄腕原子さん、@ミックさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2023-04-17 06:56) 

Inatimy

トヨタ エスティマ、父が一時期乗ってました^^。
ジオラマで見る過程、面白いですね。こういうの好きです。
大きな車、模型を作って粘土で形を整えるんですよね。以前CMで見たことがあります。
by Inatimy (2023-04-17 23:12) 

YAP

Inatimyさん、コメント & nice! ありがとうございます。
最初に実物大のモデルを作るときもクレイモデルですね。
面の構成をいろいろ工夫して、デザイナーの腕の見せ所だと思います。

kiyoさん、sheriさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2023-04-18 07:44) 

kiyo

Toyotaは、こういう場合、非常に、公平に全世界、全メーカーから選んでいますね。

by kiyo (2023-04-18 08:50) 

kuwachan

うちは家族で乗るのでセダンで5ナンバーを探していたところ
ベンツの190Eは凄く魅力的でしたね。
ただ、お値段的に手が出ませんでした(笑)

by kuwachan (2023-04-18 11:52) 

YAP

kiyoさん、kuwachanさん、コメント & nice! ありがとうございます。

kiyoさん、
それぞれの時代で、それなりに納得感のあるチョイスで展示していると思いました。

kuwachanさん、
あの頃はまだ輸入車の価格は国産車と比べるとずいぶん高かったと思います。
最近はその差が縮まって、街を走っているのも増えましたよね。

リュカさん、yamさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2023-04-19 07:43) 

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