次期愛車への道 '22 MAZDA3 20S Black Tone Edition [クルマ]
いよいよ今年から次の愛車選びを開始。
気になるモデルを試乗して、それを忘れないよう、自分の物差しで採点して記録に残しておく。
記念すべき最初のモデルは、MAZDA3。
先代アクセラがフルモデルチェンジしたのを機会に、ワールドワイドで使用している MAZDA3 の名前に統一された。
2017年の東京モーターショーで "KAI (魁) CONCEPT" として展示されていたコンセプトカーが、ほぼそのままに近いデザインで量産された。
そのスタイルは、近年のマツダを象徴する魂動デザインをより洗練させたアグレッシブなもの。
それだけにクセは強く好みがわかれるところかもしれないが、私は文句なしにカッコイイと思う。
気になるモデルを試乗して、それを忘れないよう、自分の物差しで採点して記録に残しておく。
記念すべき最初のモデルは、MAZDA3。
先代アクセラがフルモデルチェンジしたのを機会に、ワールドワイドで使用している MAZDA3 の名前に統一された。
2017年の東京モーターショーで "KAI (魁) CONCEPT" として展示されていたコンセプトカーが、ほぼそのままに近いデザインで量産された。
そのスタイルは、近年のマツダを象徴する魂動デザインをより洗練させたアグレッシブなもの。
それだけにクセは強く好みがわかれるところかもしれないが、私は文句なしにカッコイイと思う。
余計なプレスラインがないにもかかわらず、複雑で有機的な面構成をしているのが周りの映り込みの複雑さから想像いただけると思う。
今回試乗させていただいたのは、2.0L のガソリンエンジン。
エンジニア的には圧縮着火燃焼を実現した SKYACTIV-X 搭載モデルが気になるところではあるが、比較するためにもまずはスタンダードな 2.0L モデルから。
スタンダードとは書いたものの、圧縮比 13.0 の GDI エンジンはしっかりと燃焼解析して作られており、他社のエンジンとは一線を画している。
ダウンサイジングターボ全盛の中で、ポリシーを持って我が道を行くのがマツダらしい。
試乗したのはもちろん 6MT。
シフトフィーリングの作り込みもサスがマツダ、シフトチェンジが小気味よく決まる。
シートとステアリングの位置をしっかりと合わせると、左手を自然にさし出したところにシフトレバーがあり、そういう基本的な運転姿勢を自然と実現できるのは、年末年始に借りていたレンタカーとはまるで次元が違う。
リバースは、下に押し込んで入れるタイプ。
インパネはシンプルな3眼4針だが、メカ的な指針式ではなく液晶表示。
最近のクルマにあまり乗っていない私はこのタイプのインパネ初体験だったが、違和感はまったくない。
あと、フロントウインドウの下の方に、車速や制限速度等が投影される。
センター部には 8.8インチのディスプレイ。
ここにナビをはじめ、種々の情報が表示されるが、あまり試してないのでこの記事ではスルー。
そのディスプレイ上での操作は、こちらのコマンドダイヤルで。
アグレッシブなデザインのマツダ車は、総じてリアシートの快適性というと同クラスの他社のモデルと比べるとやや劣る。
とはいえ、現在 3ドアハッチバックに乗っている私からすれば、リアドアがあるというだけでまったく違う。
トランクは標準的な大きさかな。
夫婦二人の我が家ではなにも文句はない大きさ。
最初にクルマに乗り込んで走り出すとき、いきなりエンストをかましてしまった。
私のクルマと比べて、アクセル微開時のトルクの立ち上がりがひじょうにジェントルであり、自分のクルマの感覚での踏み具合でトルクが足りず。
そうとわかれば、クラッチがミートする瞬間の半クラで発進するときだけ気をつけて、クルマが動き始めたらすぐにクラッチをスパッとつなげば、あとはアクセルの微妙な動きにきちんと反応してくれるのでひじょうに扱いやすい。
(逆に、試乗が終わって帰る際に自分のクルマに乗ったとき、発進時にアクセルの踏みが大きく回転が吹き上がってしまった。)
アクセルに対してエンジンは思い通りに反応してくれ、回転の伸びも気持ちいい。
2速、3速とリズムよくシフトアップし、ボディの大きさを感じさせない軽快感で走る。
カーブではマツダご自慢の G-ベクタリングコントロールという制御でエンジンのトルク制御に介入し安定性を高めているというが、この制御が入っていないものとの比較ができないので、その効果のほどを体感することはできない。
ただ、初めて運転するモデルでも常に安心できる安定感があり、自分の思うようにラインをトレースできるので、その効果が出ているのだろう。
ブレーキも踏力に応じて制動力の変化がしっかり伝わってくるので安心感がある。
というところで、私の個人的偏見による採点をしていく。
エンジン;7点
全開性能スペックは、115kW@6000rpm / 199Nm@4000rpm。
C セグメント 1340kg の大柄なボディを走らせるには少し物足りない数値に見えるが、必要にして十分。
むしろ軽快感もあるくらいに回転の伸びが気持ちいい。
今どきのカタログには全開性能曲線が掲載されていないのでわかりにくいが、低速域のトルクは明らかに他社 NA エンジンよりも太い。
カタログ燃費は WLTC モードで 16.7km/L。
従来の JC08 モードに比べると実走に近い値(見た目の数字は悪い値)になるが、最近のクルマの燃費は良くなったなあと実感する。
走りも爽快で燃費もいいし、これで e-Fuel のようなカーボンニュートラル燃料が実現すれば、ガソリンエンジンもこの先まだまだ長く生きていける。
トランスミッション;8点
以前からなのだが、マツダの MT はよくできている。
私は MT にこだわってクルマ選びをしているが、MT であればなんでもいいというわけではない。
シフトフィールは重要だし、クラッチの踏力もかなり気にする。
このミッションはシフトストロークはそこまで短くはないが、各ギアに吸い込まれるようにスコスコ入ってシフトチェンジが気持ちいい。
クラッチの踏力も重過ぎず軽過ぎずちょうどいいし、ミートするポイントもわかりやすい。
操安性;8点
走る、曲がる、止まる、というクルマの運転の三要素全てが心地よい一体感で全てつながっているというか、初めてのクルマでも運転中の一連の動作が自然に流れていくような感覚がある。
前述したが、G-ベクタリングコントロールの恩恵なのか、カーブでのステアリング操作が一度でビシッと決まる感じで、余計な切り増しや戻しをすることがほとんどない。
ドライビングポジションにこだわっているマツダらしく、正しい運転姿勢がしっかり取れることも運転の安定につながっているのだろう。
リアサスペンションが、先代アクセラのマルチリンクからトーションビームに変わったことで、コストダウンし過ぎだとか手抜きだとかいろいろ言われているが、荒れた路面のところや不規則で微妙な轍があるような路面でもリアの接地感は常にしっかりとしている。
マツダの商品性実験部でサスペンションとかを開発している名物エンジニアの方がビジネス・技術系の記事でのインタビューにちょいちょい出ているが、そういう人の話を読むと、真面目につくっていることがよくわかる。
デザイン;8点
デザインは人それぞれの好みがあるが、私はこのデザインはかなり好み。
特に精悍なフロント周りはマツダらしさにあふれている。
強いてあげれば、リアクオータパネルから後ろが少しぼってり重い感じがあるので、ここらがもう少しすっきりするとよりいいと思う。
コストパフォーマンス;8点
試乗したこのグレードが私にはちょうどいい装備だったので、これを基本にナビ用の SD カード、ETC、ドライブレコーダをオプションで選んで、車両本体価格が 2,722,653円。
クルマの価格が高くなってしまった現在、このクラスである程度の運転支援装備もついてこの価格はかなりお得感がある。
同クラスのライバルというと、ホンダのシビックとかがまさにもろかぶりするが、圧倒的に安い。
以上の5項目にカテゴライズされない部分で気になるポイントをアディショナルポイントとして最大 3点を加減することにしているが、コンパクトなクルマが好きな私には 1795mm の全幅はちょっとでかいなあということで、-1点を。
運転席からの見切りはいいので車幅感覚はすぐにつかめたが、だからこそ運転している間中、「でかいなあ」と思い続けていた。
このサイズのクルマは、肥大化し続ける多くのクルマの中で目立つほどではなくなってきたので減点するのもどうかなとは思ったのだが、やはり自分の中でヘジる気持ちがあるのは事実なので、心に忠実に 1点減点。
総合;38点
点数としてはパッとしないが、今回のクルマ選びの最初の試乗ということで、かなりコンサバな採点にならざるを得なかった。
エンジンとか、個人的な満足感としては 9点とかにしてもいいくらいだったのだが、いきなり高得点をつけてしまうと、この先試乗したいと思っているモデルがさらに良かったときに差がつけられなくなってしまうので。
なんだかんだ言っても定性的、官能的なものをとりあえず数値化して、後で振り返って考えるときに比較をするための基準なので、そこはしかたない。
実際についた点数以上にいいクルマだと思うのだが、実際の売れ行きはさほどではない。
マツダのクルマづくりは完全にプロダクトアウトで、エンジニアがいいと思ったものを形にすることにこだわっている。
そういうのが私のような同業エンジニアには強く響いてくるが、世の中の多くの人たちが欲しいもの、いいものと思っている価値観と合致するとは限らないという典型的な例と言える。
(だからこそ、定期的に売り上げ不振となって会社がやばくなるときがあるのだが...)
トヨタのようにリソースが豊富な企業であれば、広く受け入れられるモデルとマニア受けするモデルと幅広く用意できるが、マツダのような規模の会社ではなかなかそうはいかない。
私としては今の路線で長く頑張ってほしいところなのだが。
ちなみに、ただいま世界的な半導体不足に加え、アルミや樹脂の供給も不足気味なので、世界中でクルマの製造が遅延傾向にあり、新車の納車は各社とも長くなっている。
人気車になると、1年以上の待ちも珍しくないほど。
年単位での待ちとなると、待っている間にモデルチェンジや年次改良が入ったりすることもあるだろうが、そんな状況でも行列に並ばなければ権利は回ってもこないので悩ましいところ。
マツダ3の場合は、今のところ3か月程度で納車できそうとのことで、こういうところからも人気がいまいちというのが垣間見える。
ホントだ、車への映り込みがなかなか面白いですね~
うまく撮ろうと思うと結構難しそうだ…って、車と別の方向に考えが飛んで行きました。
結構いい印象のようなので、私たちが次に買うときも参考にします!
by めぎ (2022-02-09 23:13)
曲線が美しいです。知識や経験に基づく細かなチェックにしびれました。エンジニアがいいと思うものを形に、って、夢があるし車の個性を主張してて良いですね〜!現実は厳しいんでしょうけれども。私は、MT車は免許取った時以来一度も運転していません。ぜったい無理です、笑。
by おと (2022-02-10 00:06)
めぎさん、おとさん、コメント & nice! ありがとうございます。
めぎさん、
最近のマツダ車はなかなか官能的なボディラインでデザインされていて、その美しさにはほれぼれします。
マツダは日本車の中ではヨーロッパで頑張ってますね。
おとさん、
プロダクトアウトで製品を作ると、それが市場の要望とマッチしたらバカ売れしますが、はずすと立ち直るのが大変です。
「いいものを作っているはずなのに!」という心理で。
逆にマーケットインの考え方だと大はずしは少ないかな。
面白みに欠けてしまいがちではありますが。
tochiさん、knackeさん、xml_xslさん、ふるたによしひささん、@ミックさん、鉄腕原子さん、熊太郎さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-02-10 07:41)
トランクこれで標準的なのですね。
たっぷり入りそうな印象です^^
by リュカ (2022-02-10 16:34)
マツダといえば初めて車を買う時に爆発的な人気があったファミリアに
しようかどうしようか迷ったことを思い出します。
レンタカーでデミオに何回か乗りましたが、悪い印象はありません。
by kuwachan (2022-02-10 16:59)
リュカさん、kuwachanさん、コメント & nice! ありがとうございます。
リュカさん、
個人的にはリュカさんと同じ感覚で、全長 4m以下のクルマを乗り継いでいる私から見てもこのトランクはたっぷりサイズです。
ハッチバックは荷物がたくさん積めるというのもポイントですので、そういう点ではこれくらいのサイズは一般的です。
kuwachanさん、
このクルマもルーツをたどればファミリアの後継なのですが、すっかり大きく育ちました。
爆発的に売れたファミリアというと、赤いカラーのを全面的に出していたモデルですよね。
あれは売れましたね。
sheriさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-02-10 18:26)
ボディカラー8色みたいですが、白っぽいの(スノーフレイクホワイトパールマイカ)と赤いの(ソウルレッドクリスタルメタリック)以外は、ほとんど違いがよく分からない微妙な感じの色合いですよね^^;。名前のネーミングはカッコいいけど。
試乗されたのは、何色なんだろう・・・。
by Inatimy (2022-02-10 19:18)
Inatimyさん、コメント & nice! ありがとうございます。
私が試乗したのは、ジェットブラックマイカだと思います。
純粋な黒ではなく、光の加減によって淡く輝くような、そんな色でした。
by YAP (2022-02-11 13:36)
マツダの車は、オートショーなどで、見た感じでは、恰好いいなあという印象。赤色、グレーの色にこだわりがありますね。
by テリー (2022-02-12 09:17)
マツダの車は見た目がカッコいいですよね。
by miffy (2022-02-12 10:49)
テリーさん、miffyさん、コメント & nice! ありがとうございます。
テリーさん、
ここ最近のマツダ車のデザインは美しいと思います。
塗装も何層も重ねて、深みを出してるんですよね。
miffyさん、
私もけっこう好みです。
やはりデザインは重要です。
by YAP (2022-02-12 16:45)
飛行機コクピットのヘッドアップディスプレイみたいに、
窓ガラスに情報を写す機能がありましたねえ。
あれって今でもあるのでしょうか...実用的にどうなんだろうなあ。
by ナツパパ (2022-02-13 10:11)
ナツパパさん、コメント & nice! ありがとうございます。
あ、表現がいまいちだったかもしれませんが、ヘッドアップディスプレイは標準でついてます。
速度や、路肩の標識を読み取って制限速度とかを表示してくれます。
視線移動が少ないので見やすいですよ。
ふにゃいのさん、(。・_・。)2kさん、ネオ・アッキーさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2022-02-13 18:33)