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次期愛車への道 アルファロメオ MiTo Quadrifoglio Verde [クルマ]

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「次期愛車への道」も今回で第5弾。
今回試乗してきたのは、アルファロメオMiTo。
車名の由来は、ミラノでデザインされ、トリノで生産されることから、その頭文字を拾っている。
2グレード用意されていて、MT を選ぶとなると上級の Quarifoglio Verde となる。





 

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ご覧のように、外観は特徴的。
スーパースポーツモデルである 8C Competizione に通じるデザインはため息が出るほど美しい。





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リアビューも同様であり、後を走るクルマに強く印象を残すだろう。



その大胆なデザインが目を引く MiTo であるが、実は搭載されるエンジンがすごい。

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直4 1.4L PFI ターボ、とだけ書くと、微妙にダウンサイジングを狙った何てことないエンジンに思えるが、「マルチエア」と呼ばれるバルブ駆動システムこそが最大の特徴。
百聞は一見にしかず、YouTube からシステムを解説した動画を。

 

カムで吸排気バルブを駆動するこれまでのエンジンは、その構造ゆえに燃焼サイクル中で多くのロスを生じていた。
燃料の発熱量をできるだけロスなく仕事に変換するために、電気関連技術が発展するに従いバルブを電磁駆動するシステムも以前から研究されているが、熱的制約等で実現するに至っていない。
そんな中、フィアットグループは吸気バルブをソレノイドバルブによる油圧駆動させることとし、高効率の燃焼を実現させた。
連続可変リフト機構だけなら、既に BMW, トヨタ、ニッサン等が量産しているが、さらにバルブ駆動の自由度が高いこのシステムは革命的である。
ひとつ解せないのは、ここまでやったのになぜ直噴にしなかったのか?





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エンジンカバーにかくれて見づらいが、吸気側にカムを持たないため、シリンダヘッドは非常にコンパクト。





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インパネは左右にスピードメータとタコメータ、中央上部に燃料計と水温計、中央下部にインフォメーションモニタがつく。
よく見るメータふたつが左右に離れているため、正直なところ、視認性はいまいち。





では、試乗した感想を。

まず、何といってもエンジンだが、当然ながら普通に乗ってる分にはハイテクが働いていることを実感することはない。
むしろ、複雑な制御をしている分、発進時や極低速等、ギクシャクしないか心配だったが、まったく持って普通の乗り味であり、これこそが重要だ。
ちょっと混んだ道で、トロトロとしたアクセル足乗せ程度の状態(こういう条件が意外と制御的には難しい)でも、おとなしいものである。





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おもしろいのが、この写真のシフトレバー右上に小さく見えているスイッチ。
D.N.A.システムと名づけられているこれは、
Dynamic
Normal
All weather
の各モードの頭文字を取ったもの。
"Dynamic" はステアリング特性が重めになり、エンジン出力も高くなり、車体の安定化制御は控えめとなる。
"All weather" は車体の安定化制御が積極的に介入してきて、滑りやすいコンディション等でドライバーを助けてくれる。
"Normal" はその名のとおり、このモデルの標準的な状態。

"All weather" は今回の試乗では当然ながら試すことができるような条件ではなかったが、"Dynamic" と "Normal" の差は走り出してすぐにわかるほど、はっきりしていた。
"Dynamic" ではアクセルペダルに対するトルクの立ち上がりもアグレッシブであり、街中で使うには持て余してしまうほどの特性に変化した。
まあ、"Normal" で乗る限り、大人しく運転しやすいクルマである。





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リアシートの居住性は、脚周りを撮り忘れたが、頭周りはこんな感じ。
座面が高めで、頭上方向に多少の窮屈さを感じるが、3ドアハッチバックのリアシートであることを考えると及第点だろう。





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トランクは実用十分な大きさ。
リアシートは左右非対称の可倒式。





それでは、いつも偏見による採点に行きましょう。

エンジン;9点
メカニズム的に革命的であるが、気持ちよさでは BMW/PSA の 1.6L直噴ターボほどではない。
それでも十分に官能的ではあるが。
ただねえ、やはりこのエンジンも10年後までの信頼性がどうなのか不安があるのが正直なところ。
フィアットは技術的にアカデミックなものを継続して開発しているのでそこはすごいと思うが、信頼性という点では、一歩も二歩も他社から遅れを取っているのは、この業界にいるとよくわかる。
新技術に投じているリソースを、もうちょっと信頼性を確保する側に振ってくれると劇的に変わると思うのだが。
燃費は JC08モード 14.3km/L。
メカニズムの割りにあまりいい値でないのは、バルブ駆動用の油圧を作っているところでフリクションが大きいのかもしれない。(直噴にしなかった理由もここか?)
エミッションはユーロ5対応。

トランスミッション;6点
フィーリングは悪くないが、私のドライビングポジションで合わせたら、シフトレバーの位置が後寄りに感じてシフトしづらかった。
ステアリングに前後調整がついていれば、シートバックをもう1ノッチ倒してシフトとの位置も理想的に保てるかもしれない。

操安性;8点
街中を運転する限り、サスペンションは適度な固さでありながらきれいに作動しているのを感じることができた。
ブレーキのタッチも効きも自然で安心感がある。
たぶん、ワインディングを走れば自然と笑みがこぼれるのではないかと思われる。

デザイン;10点
デザインは好き嫌いが分かれるところであるが、私は文句なしに満点をつける。
インパネのデザインにケチをつけたとしても。

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このラインとか、もうたまらなくセクシーだ。

コストパフォーマンス;3点
オプションにSDメモリータイプのカーナビとETC、ドライブレコーダをつけて車両本体で358万円。
正直、私が考えている価格帯を大きく超えている。
国内導入された当初はこれより50万円くらい下のモデルで MT があったので選択対象になると思っていたが、ちょっと無理。
と、書いたが、6月末までの限定でオプション20万円引きのキャンペーンをやっているので、それに乗っかれば多少は手が届きそうになる、かな?いや、やっぱり無理か。

エキストラポイントを増減するような特筆すべき点はなし。

総合;36点
コストパフォーマンスを除けば、かなりの高得点となった。
実際のところ、欲しい気持ちは強い。
一方で、フィアット(アルファロメオ)車の信頼性への不安があるのも事実。
幸いなのは、私の考えている予算よりもかなりお高目ということで、それを理由に決断できそうだ。
と、言い訳を並べる前に、MT モデルの設定廃止が既に決まっているそうで、既に生産はストップ、後は在庫がある分だけだとのこと。
「ご決断されるのであればお早めに」とのことだったが、まだ元気にがんばっている MINI を手放してということはできないので、必然的に候補から外れていくこととなる。

今回は、ご縁がなかったということで...


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コメント 14

GAYO

YAPさんはMTがお好みなんですね。
今どきは進化して?繋ぎやすくなっているのでしょうか。
うちのBRZくんも低速でもねばりがあって、頼もしいですよ。
私が大昔に乗っていたサニーGXなんて、とんでもなく神経質なヤツでしたから(笑)
by GAYO (2013-05-06 17:52) 

めぎ

あらま、MTが廃止?ということは、ドイツではあまり売れないのかな~
ああ、でも、MTが今後もあっても、そのお値段ではうちは一生無理ですわ。
ボディが鏡のようですね。景色が綺麗に映ってますもの♪
by めぎ (2013-05-06 19:53) 

ナツパパ

この車はわたしも欲しいんです。
...あ、わたしはATなんですけど。
クワドリフォリオでしたっけ、そっちはMT専用なんですよね、たしか。
この色、そしてフォルムは、本当に欲しい!!
by ナツパパ (2013-05-06 20:02) 

YAP

GAYOさん、めぎさん、ナツパパさん、コメント & nice! ありがとうございます。

GAYOさん、
MT必須で次を考えています。
HEV や EV が普及していくと、MT車に乗れるのもこれが最後かもしれないので。

めぎさん、
ドイツでも、VW が デュアルクラッチの自動MTを普及させようとがんばっているので、市場の変化があるかもしれないですね。
少なくともダイレクト感は普通の AT とは比べ物にならないので、MT 好きの欧州人にも受け入れられるかもしれません。

ナツパパさん、
MT 廃止とともに、日本市場ではもう少し安いエントリーグレード(恐らく車両本体で270万くらいだと予想します)が導入される予定だそうですよ。

tochiさん、knackeさん、甘茶さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2013-05-07 06:56) 

リュカ

確かに外見はものすごーくカッコ良いですね。
車のことちっとも分りませんが、この車を見たら「かっこいいね」って言いそう(笑)
航空発祥記念館で、零戦の部品(?)も展示されてました。
YAPさんなら興味あるかもですね^^
by リュカ (2013-05-07 09:41) 

kuwachan

イタリア車らしい素敵なデザインの車ですね~^^
赤の色もとってもいい色です。
イタリア車はやっぱり信頼性がですよね。
友人が乗っていたのですがよく入院するといっていたので
特にメカには弱い私には絶対に無理かなと思っています。
by kuwachan (2013-05-07 12:33) 

koyuki

とっても手に届きませんが、かっこよいですね!
イタリア車は赤が様になりますね。
MT車がなくなってしまうなんて、さみしい限りです。
by koyuki (2013-05-07 22:23) 

YAP

リュカさん、kuwachanさん、koyukiさん、コメント & nice! ありがとうございます。

リュカさん、
美しいですよね。
どんな製品でもデザインというのは重要で、購買動機の大きなポイントになります。
そういうところから入っていくのも悪くないと思います。

kuwachanさん、
そうなんです、イタリア車は信頼性がやはりネックになります。
職人的な情熱を感じることができますが、長く使うもの、しかもこんなに高いものだと躊躇しますよね。

koyukiさん、
ほんと、MT車はどんどん減っていって、寂しいです。
一方で、人気復興の兆しもあるようで、例えばメルセデスベンツのSLKのように、MTモデルが日本に導入されるようになったものもあります。
買えませんが...

Lionbassさん、alohaさん、あんぱんち~さん、yamさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2013-05-08 07:54) 

トリバン

アルファ、いいじゃないですか。
というかドイツ車ってものつまらないし、やっぱラテンでしょ。(笑)
すみません。
こちらへのリンク、今気がつきました。m(__)m
by トリバン (2013-05-08 18:58) 

YAP

トリバンさん、コメントありがとうございます。
たしかにドイツ車とは異なるパッションを感じますよね。
特にアルファロメオブランドは、昔から特別なものですから。

HIROMIさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2013-05-09 07:00) 

luckystream

やっぱり来ましたねアルファ。
ジュリエッタとかどうですかって聞こうと思ってましたよ。
今、1ウイーク モニター キャンペーンをやっているので
申し込んでいるところです。

兄がアルファ(車種は失念)に乗っていましたが、それはもう
故障のオンパレードでした。
ディーラーも「そんなもんです。」とか開き直ってたし、やはり
不安感はありますね。
by luckystream (2013-05-10 11:34) 

YAP

luckystreamさん、コメント & nice! ありがとうございます。
ジュリエッタも美しいですよね。
MiTo 以上のお値段になってしまいますが...
1ウィークモニターキャンペーンは始まったのは3月頃でしょうか。
何度も応募していますが、毎回落ちています。
by YAP (2013-05-10 18:50) 

NO NAME

ステアリングに前後調整はついていますよ
by NO NAME (2013-07-24 11:51) 

YAP

NO NAMEさん、コメントありがとうございます。
あれ?テレスコピックもついてましたか。
失礼しました。

ちんくろ2級さん、One-for-youさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2013-07-25 07:47) 

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