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2003年 初めてのアメリカ出張 デスバレー その2 [昔の出張]

昔の出張振り返りシリーズの第三弾は、2003年夏に行った初めてのアメリカ出張。
酷暑地フェニックスを拠点に、さらに暑いところと高地を周るテストトリップ。


この出張のハイライトともいえる、デスバレー国立公園での話。
滞在中の最高気温は、前の記事でも書いたけど 52'C !!
夜になってようやく 40'C くらいまで下がるくらい。
数字を見るとビビるが、カラッと乾燥しているのでそこまでしんどくはない。
湿度の高い日本の夏の方がはるかにきつく感じる。

デスバレーの敷地内を試験車で走り回るのだが、ところどころ観光スポットに立ち寄って写真を撮るくらいのことはできる。


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広大なデスバレー国立公園内で、最も標高の低い場所、バドウォーター・ベイシン (Badwater Basin)。
-85.5 m で、目の前にデスバレーの "バレー" の部分が広がっている。





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背後はすぐ山。
ここで驚いたのは、風が吹いてないときはまったくの「無音」ということ。
これは生まれて初めての感覚。
自動車の実験施設では、壁が音を吸収するような施工をされた無響室というのがあるのだが、そんなものは比にならないほどに音が聞こえない世界。
何十m も先に小さく見える人たちの会話でさえもかすかに聞こえるほど。






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ここは太古の昔は海だったようで、それが干上がって塩の大地が谷底を覆っている。






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デスバレーの大部分は礫砂漠状の土地。






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真夏にこんな 40'C とか 50'C とかの場所でクルマがトラブルで走れなくなってしまったら、文字通りの死活問題。
実際、多くの自動車メーカがここにテストのために集まっているとはいえ、広大な国立公園内では、ほとんど他のクルマを見かけることはないので、助けを呼ぶこともできなかったりする。
なので、私たちのような仕事が必要になる。






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ビュースポットの一つ、ザブリスキー・ポイント (Zabriskie Point)。





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バドウォーターの背後の山の頂上、ダンテス・ビュー (Dante's View)。
標高は 1669m。
灼熱のデスバレーの中で、さすがにこれくらい登ってくると 15'C くらいは気温が下がるので、かなり涼しく感じる。






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ダンテス・ビューから見下ろすバドウォーターから先へ延びる塩の谷。
正面に見える山は、3366m のテレスコープ山 (Telescope Peak) 。
この谷に暖かい空気がたまり淀み、信じられないほどの高温になる。






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左を見ても右を見ても、延々とこの谷が 100km 以上続いている。






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デスバレーの地形がどのように干上がってできたかの解説。






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こんな乾いた土地でも、健気に生きている植物もある。
デスバレーの年間降水量は 50mm 程度。
どれだけ乾燥しているか、想像していただけるだろうか。






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このポコポコした草の塊みたいなのが広がっているのは、悪魔のコーン畑 (Devil's Cornfield)。
もちろん、ほんとのトウモロコシではない。






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あまりに絶景が続いているので、ついつい仕事を止めて写真を撮ってしまう。





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もちろん仕事はちゃんとしているが、ほんとはゆっくり写真を撮りながら観光したいところ。






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クルーズコントロール泣かせのアップダウン。






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アーティスト・パレット (Artist's Pallete)。
実際の見た目では、もう少し鮮やかに見えるのだが。
この写真だと、左の真ん中あたりが、ちょっと緑色が見えている。






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これはどこかで休憩で止まったときかな。
写真の右下に水のタンクの端が写っている。
この公園内には、オーバーヒートを起こしてしまったクルマの応急処置用に、給水タンクが所々にある。

とりあえず、行きやすいビュースポットには一通り訪れたが、アメリカでもっとも広い国立公園だけあって、それぞれにたどり着くのに、30分以上は走り続けることはざら。



広い公園内で、試作車の試験走行でときどきとんでもないスピードを出すようなヤツもいる。
アメリカはわりとスピード違反に対してシビアで、公園内ではパークレンジャーが巡回していてにらみを利かせて取り締まりをしている。
国立公園の中では、パークレンジャーが秩序を守る権限を持っていて、このエリア内では警察よりも権限を持っている。

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kuwachan

映画で見る風景そのものですね。
確かに湿度がないと暑くても結構平気ですよね。
こんなところでもスピード違反の取り締まりをしてることに驚きです。

by kuwachan (2021-02-15 00:07) 

めぎ

その昔ここに水が流れていた跡が見えるのが、とても興味深いです。
そこに道が作られているというのも凄いなあ。
人間って、どこまでもどこまでも道を作っていくんですねえ。
by めぎ (2021-02-15 00:54) 

YAP

kuwachanさん、めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。

kuwachanさん、
広大な敷地の中では、他のクルマと遭遇することも少なく、その気になればいくらでもスピード出せますので、秩序を守るためにも取り締まりは厳しくされてます。
国立公園の美しい景色はみんなのものですから。

めぎさん、
水があった頃は、ほんとに太古の昔でしょう。
それに比べると道が造られたのは、少なくともゴールドラッシュの頃以降ですから、1800年代後半。
地球の歴史で見たら、ほんとに最近のことです。

tochiさん、@ミックさん、鉄腕原子さん、マルコメさん、xml_xslさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2021-02-15 06:49) 

リュカ

確かにこんなところで車が動かなくなったら
本当に絶望的な気分になっちゃいますよね。
圧倒される景色です。
海だったというのがなっとくの景色。
by リュカ (2021-02-15 07:44) 

Inatimy

全く日常とかけ離れた風景に圧倒されます。他の惑星見たい^^。
年間降水量が50mmしかないのに植物が生きてるなんて。
暑さにも乾燥にも強いんですね。昼夜の気温差で発生する湿気を吸収してるのかしら。
人間もこまめに水分補給しないと、知らず知らずに脱水症状を起こしそうなところですね・・・。
by Inatimy (2021-02-15 22:03) 

YAP

リュカさん、Inatimyさん、コメント & nice! ありがとうございます。

リュカさん、
ここでクルマが止まって一人だけになってしまったら、ほんとに死んでしまいます。
暑さだけじゃなく、サソリとかコヨーテとかいるみたいだし。
けど、こういう荒れた景色が圧倒的で癒されました。

Inatimyさん、
ほんとに地球じゃないみたいですよね。
それこそが、私がアメリカに魅せられたところです。
他にもすごい景色の場所は世界中にあるんでしょうけど、なんだかんだで先進国ですので、こういう景色にアクセスしやすいというのがいいです。
知らず知らずのうちの脱水症状には気をつけないといけないところです。

kiyoさん、nmzkさん、甘党大王さん、knakceさん、ふるたによしひささん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2021-02-16 07:01) 

テリー

デスバレーは、夏は、観光では、行く気にならないですね。
冬に出かけました。


by テリー (2021-02-16 21:38) 

YAP

テリーさん、コメント & nice! ありがとうございます。
それが正解だと思います。
気候的には冬がちょうどよさそうですね。
by YAP (2021-02-17 06:48) 

こちさ

どの写真も私好みの景色です^^
アフリカとか南米とか似ている景色のところを訪れたけれど、
似ているようで違う、それぞれの良さがありますね!!
アメリカ横断、ゆっくり時間をかけて行きたいです。
by こちさ (2021-02-20 02:09) 

YAP

こちささん、コメント & nice! ありがとうございます。
アメリカのいいところは、こういう景色のところでもそこそこのレベルのホテルや食事をするところが近くにあるところです。
そういうハードルが低くて行きやすい。

熊太郎さん、ネオ・アッキーさん、らしゅえいむさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2021-02-20 06:52) 

カオリ

デスバレーってこういう場所なんですね。名前は聞いたことありましたが・・・
アメリカってほんとに想像を超えた場所がありますね
by カオリ (2021-02-21 22:24) 

YAP

カオリさん、コメント & nice! ありがとうございます。
気温が高いので、たまに夏にニュースになったりしますが、こんな礫砂漠の地です。
日本では絶対に見られない景色です。
by YAP (2021-02-22 06:52) 

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