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LKAB Vol.1 [スウェーデン旅行]

2018 - 2019 年末年始スウェーデン旅行記 Day 4 (2019/1/3)


この日の午後は、日本から出発する前に申し込んでいた、世界最大の鉄鉱山ツアーへ。
日によってスウェーデン語ツアーと英語ツアーがあるので、申込時に注意が必要。

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集合場所は、宿泊しているスカンディックフェルムのすぐ隣の建物にある観光案内所。




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こちらのバスに乗って鉱山へ。





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鉱山での採掘を管理運営している、LKAB 社へ。





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暗いうえに動いているバスからの撮影なので手振れしまくりの写真だが、このバスのまま、鉱山へと突っ込んで行く。





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バスはアクセス用の坑道をどんどん地下へ。





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地下 540m の見学用の坑道へ到着。





ローサヴァラ- キルナヴァラ株式会社 (Luossavaara - Kiirunavarra AB, LKAB) は、1890年に設立。
キルナの地に鉄鉱床が見つかったのはこれよりさらに 100年くらい前だったそうだが、当時の技術では何もできず。
19世紀後半になって、少しずつ採掘ができる工具が作れるようになり、さらにはノルウェイの港町であるナルヴィクまで採掘した鉄鉱石を運搬するための鉄道も敷設され始め、産業として成立するようになった。
それとともに人が集まり、キルナという町が誕生した。





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写真の数字が読みにくいかもしれないが、今、私たちがいるのが、1985年に掘られた上から5番目の坑道。
LKAB の歴史とともに採掘はどんどん地下深く進むのだが、私が15年前にここの見学ツアーに参加していたときに聞いたのは、「地下深く掘っていくにしたがって採掘コストも上昇してきたので、この先10年くらいでこの鉄鉱山をあきらめるか、さらに深く掘っていくかの決断が必要になるだろう」と聞いていた。
その後 LKAB は、掘り進めることを選択。





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一方で、採掘エリア(上の写真の赤枠内)は町の中心部の地下にまで進み、それによって町には地割れや地盤沈下が見られるようになってきた。
ここで、キルナ市は、町の中心部を東に 3km ほど移動することを決断。
昨年くらいから本格的に移動が始まり、町のシンボルだった市庁舎は既に移転。
今年くらいから新しいシティセンターの整備と現シティセンターの移動が加速していく。
私が知っているキルナの姿を見られるのもあとわずかであり、これがこの冬にキルナに行こうと思った最大の動機づけになった。


移動対象地域に住んでいる住民には、二つのオプションが用意されているらしい。
移動に伴う諸費用(新しい住居の購入や引っ越し費用)+ 補償をもらって、
1.新しい町に移る。
2.全く別の町へ移る。
いずれも LKAB が全額を補償する。
いくら金銭的に補償してもらうとはいえ、企業活動によってこれまでの生活が一変するわけだが、意外と市民には受け入れられているようだ。
そもそもキルナという町がこの鉄鉱山の経済活動で生まれた町であり、鉄鉱山とともに生きてきた町なので、理解されているのだろうと思う。






Youtubeに、キルナの町の移動についての動画がある。(英語)
これを見ると、住み慣れた景色から離れる寂しさはあるものの、町の移動をポジティブに期待している人たちの思いが伝わってくる。
個人的に見どころだと思うところをつまんでいくと、35秒に極夜のランチタイムの景色(というか辺りの暗さ)、1分35秒に旧市庁舎(時計台がまだ残っている)、3分00秒に市街地の移動、6分39秒にキルナ教会、8分30秒に新市街地のイメージ図、といったところ。
時間のない方は、これらかいつまんでのぞいていただければ。
全体的に、英語わからなくてもおもしろい動画だと思う。


LKAB の話に戻すと、同社はキルナの他にも鉱山を持っていて、その産出量の合計は世界第2位。
ちなみに 1位はブラジルのヴァーレ社で、1月末に所有する鉱山内のダムが決壊して、300人以上がなくなっている。





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採掘の方法を説明したパネル。
最初に細い穴を開け、そこにスウェーデンが生んだダイナマイトを仕掛けて発破する。
発破の衝撃はそう大きくはないが町にも伝わり、私もこの滞在中に一度感じた。





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坑道内は美しくライトアップされている。





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少し暗い坑道内を移動。





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今は役目を終えて見学用に展示されている大型マシンの数々。





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お持ち帰り自由の鉄鉱石のペレット。
多くのツアー参加者がその場の雰囲気で喜んでもらっていたが、後で自宅に帰って冷静に見返すと「これどうすればいいかな...」となるやつ。
15年前の私がそうだったので。


ここの記事、もう1回続きます。

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コメント 9

こちさ

鉄鉱山のツアー、楽しそうです^^
地下とか洞窟とか好きなので参加してみたいです。
by こちさ (2019-06-23 18:50) 

miffy

鉄鉱山のツアー面白そうですね。
トロッコではなく歩いての見学というのも興味深いです。
by miffy (2019-06-23 19:55) 

knacke

とっても興味深いツアーです。
こういうのあるの、知らなかったです。
行ってみたい!
by knacke (2019-06-23 21:32) 

YAP

こちささん、miffyさん、knackeさん、コメント & nice! ありがとうございます。

こちささん、
地下 540m の世界ですから、きっとお気に入りいただけるツアーだと思います。
いろいろ勉強にもなりました。

miffyさん、
ここに降りていくまでは、大きなバスが楽々通れるほどのアクセス道でした。
見学エリアは歩いて行ける範囲なのでそう広くはないのですが、なかなか楽しめました。

knackeさん、
スウェーデンにお住まいであった knacke さんには、ぜひとも行っていただきたいですね。
キルナの町だけでなく、このツアーも。

xml_xslさん、tochiさん、nmzkさん、engridさん、鉄腕原子さん、@ミックさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2019-06-24 09:04) 

リュカ

わたしもきっとペレット「わーーーーい!」って持ち帰って
家に帰ってからどこに飾るか悩みそうです(笑)
うちの場合はゆずの仏壇に飾るかなw
キルナの町の歴史を感じられるのですね。
わたしだったらどっちの町にうつるだろうか。
新しく作られる町にいくかなあ。どっちかなあ。
by リュカ (2019-06-25 08:39) 

kuwachan

市庁舎が移転したのはそういう経緯があったのですね。
こんな大きな鉱山の跡が見られるって面白そうです。
土肥で金山の跡は見学したことがありますが
規模が比べ物にならないです(笑)

by kuwachan (2019-06-25 17:48) 

YAP

リュカさん、kuwachanさん、コメント & nice! ありがとうございます。

リュカさん、
お持ち帰りペレットは、家に帰ったときに、ただの丸い鉄の粒々ということに気づきます。
私だったら、この町で仕事見つけて働いていたら、新しいキルナの町でそこからの町づくりに参加したいです。

kuwachanさん、
鉄鉱山としては世界最大なので、見学できるのはほんの一部とはいえ、その大きさを感じました。
日本だと規模の大きいのは炭鉱ではないかと思うのですが、さすがにスケールが違うでしょうね。

まりっぺさん、sheriさん、soramoyouさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2019-06-26 07:58) 

めぎ

地下でこうして仕事をする人がいたからこそ今の生活があるんだよなあと感じます。
鉱山の見学、ドキドキ・ワクワクしますね。
by めぎ (2019-06-28 05:29) 

YAP

めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。
キルナの町はまさにその通り、地下で働く人たちが町の生活を支えています。
それだけに、町の移動も納得しているのでしょう。

ネオ・アッキーさん、ピストンさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2019-06-28 08:04) 

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