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東京モーターショー 2017 部品メーカ編 [クルマ]

今年の東京モーターショーの紹介。
今回は、部品メーカの展示。

これまでに自動車メーカの展示を紹介したとおり、フォーカスされているのは電動化や自動運転の技術。
必然的に、私が興味を示すエンジン関係の展示はわずか。


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シェフラーの画期的な動弁系は、既に量産しているし今となっては目新しさはないし、特に進展もなし。
なかなか採用が拡大しないのは、信頼性か、コストか。






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透明な液晶パネルに表示されていたので、写真では向こうが透けてたりこちらが写り込んだりで見づらいのだが。
日立オートモーティブは、PN (パティキュレートナンバー;排気中の煤分の数)を低減するインジェクタの技術をかなり詳しく展示。
まさに私たちも仕事で悩まされている部分。






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他に気になったのは、日本ピストンリングが展示していたディンプルライナ。
文字通りシリンダライナにディンプル処理を施して、フリクションロスを低減している。
展示では日野やいすゞのディーゼルエンジンに採用しているということだったが、ガソリンエンジンにも適用できるだろう。





ここからはエンジン以外の技術。

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今回けっこう目立っていたのが、サイドミラーをカメラに置き換えたもの。
各社のコンセプトモデルでも、ほとんどがミラーの代わりにリアビューカメラを採用していた。
こちらの写真は、Samvardhana Motherson Group というインド最大の自動車部品メーカのもの。

ルームミラーやサイドミラーって、何十年も進化のない部品の一つだったが、各国の保安基準で代替機能を果たすもの(=カメラ)も OK ということになりつつあり、今後数年で一気に置き換わるものと思われる。







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何十年も変わらない部品、その2、ワイパー。

こちらはミツバのスプラッシュフリーウォッシャーシステム。





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ワイパーブレード内部に水配管があり、ウォッシャ液を噴出するときに飛び散らず効果的に窓をきれいにできるというもの。
ワイパーは、もうちょい進化してほしいよなあ。






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何十年も変わらない部品、その3、タイヤ。
写真は住友ゴム(ダンロップ)の展示。

正確には、タイヤはかなり進化している。燃費向上に貢献したり、ウェット性能が向上したり。
けど、それが一般の人にはわかりにくい。
上の写真で右から2番目と3番目のタイヤのように、チューブレスでパンクの心配がないタイヤが早く実用化してほしいところ。
ずいぶん前からこういうコンセプトの展示はあるが実用化できないハードルは何かと説明員の方に聞いたところ、横方向の剛性がまだまだお話にならないとのこと。
道は直線だけじゃないもんね。






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こちらはグッドイヤーからの出展で、メインチャンバーと3つの独立したチャンバーが空気圧を調整しながら路面状況に合わせて自在に変形するとのこと。
グリップ、エコ、ウェットといった、両立が難しいタイヤ性能を実現している。
こういうのが市販化されたらなかなかおもしろい。






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こちらの写真は反射が激しくてわかりにくいが、旭硝子の展示でヘッドアップディスプレイの新しい形。
前面ガラスを通した実際の景色に、いろいろな情報を重なるように映し出している。
情報量と見やすさとのバランスが難しそうだが、カーナビはじめ安全につながる効果が期待できそう。






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部品メーカの一角に、プロトタイプレーシングカーらしきマシンが。しかもナンバープレートがついている。
こちらは、イケヤフォーミュラという金属加工メーカが作成したクルマ IF-02RDS。
その加工技術を活かしてこのクルマを製作し、保安基準に適合させてナンバーまで取得した。
今後はエンジンも自製したい(このクルマには、ホンダの 2L K20C を積んでいるそう)ということで、それはさすがにハードルが高いだろうが、今の時代、がんばってほしい。






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最後に Connectivity に関する展示を集約した、TOKYO CONNECTED LAB 2017 と区画されたエリアへ。
トヨタとか KDDI とかの展示の他に、VR 体験のできるコーナーとかあって、ちょっと私も体験を...と思ったが、登録のために会場内の Wi-Fi につなごうしたがつながらず、まあいいやとあきらめた。
こういうイベントで Wi-Fi 環境を用意しているなら、それなりのキャパシティを準備してほしいところ。
今ホットな自動車業界の三大次世代技術(電動化、自動化、コネクティビティ)のうち、前者二つは目指している姿がある程度はっきりしていると思うが、コネクティビティについてはまだまだ模索中のような気がしている。
自動運転中にネットワーク経由で映画を見たり、他のクルマやインフラと通信して安全で快適な交通環境を確保したり、そういうのは思いつくのだが、なんかもっと革命的な用途が隠れているのではないかという気がする。




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そんなコネクティビティに関連するものとして、各社ブースでは至るところでこんな光景が。
バーチャルリアリティもまた、新しい使い道を各社いろいろ模索しているように見える。




次回、モータースポーツ編を書いて、今年の東京モーターショーの記事は終わります。


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コメント 6

kuwachan

ワイパー、同感です。
私が車を運転し始めてからほとんど変わっていないように思いますが
多少は進化しているのかしら(^^)
by kuwachan (2017-11-19 22:38) 

YAP

kuwachanさん、コメント & nice! ありがとうございます。
ワイパーもいちおうリンクの動きとか工夫して拭き取り面積を広げたりといった進化はあるのでしょうが、根本的なところって変わってないですもんね。
画期的な何かが出てきてほしいところです。

@ミックさん、xml_xslさん、knackeさん、ネオ・アッキーさん、soramoyouさん、鉄腕原子さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2017-11-20 06:55) 

めぎ

ワイパーは半年~一年に一度くらいうちのドイツ人が付け替えてますが、ああいう簡単なものがどう進化できるものなのか、いつか面白いのが出てくるのを期待します。
by めぎ (2017-11-20 07:09) 

リュカ

サイドミラーをカメラに???
こういう車が主流になる時代が来るのかしら!
もし道でみかけたら、この話しらなかったらビックリしただろうな(笑)
by リュカ (2017-11-20 10:13) 

aloha

ミラーとワイパー、確かにほとんど変化がありませんね。
ワイパーについては、飛行機でさえ車とほとんど変わらない形状だったのに
ビックリしました。
サイドミラーがカメラになったら、ドライブレコーダーみたいにも
使えるんでしょうか?
by aloha (2017-11-20 22:09) 

YAP

めぎさん、リュカさん、alohaさん、コメント & nice! ありがとうございます。

めぎさん、
ワイパーは、ゴムの付け替えという点では、昔と比べるとずいぶんと楽な構造になりました。
そういう細かい点でちょっとした進化はあるのに気づかせていただきました。
そもそもの作動原理の部分では、他に手がないものですかね。

リュカさん、
ルームミラーやサイドミラーをカメラに置き換えるのは、日本国内では昨年6月から認められるようになりました。
既にルームミラーでは後方カメラの映像をミラー部の液晶に表示させるものが装備されている新車もあります。 
サイドミラーもそろそろ変わっていくことと思います。

alohaさん、
たしかに飛行機のワイパーも同じような構造ですね。
サイドミラーがカメラになれば、記録もできるようになるかもしれないですね。

sheriさん、kiyoさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2017-11-21 08:02) 

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