SSブログ

FUJIFILM X-Pro2 & フジノンレンズ XF35mmF2 R WR レビューその4 FUJIFILM 渾身のフラッグシップ機はやはり凄かった [モノ]

FUJIFILM X-Pro2 + フジノンレンズ XF35mmF2 R WR を約1ヵ月半使い込んでのまとめ記事を書こうと思う。

00000008.JPG 

これまでの記事でも共通しているが、ひとつお断りしておかなければならないことがある。
今回のレビューは、タイトルの通り、カメラ本体の X-Pro2 とフジノンレンズ XF35mmF2 R WR の組み合わせとなる。
これらで撮影した美しい写真は、カメラの性能によるものなのか、レンズの性能によるものなのか。
もちろん双方がともに高いレベルにあってのものなのだが、単焦点レンズというもの自体が、私には銀塩カメラでしか経験がない。
それぞれ単品でのレビューにできればベストなのだが、残念ながら二つセットでの評価となることをあらかじめご了承いただきたい。

既に二つのインプレッション記事で書いているように、マニア受けする操作性に加え、鮮やかな写真のクオリティが相まって、使うほどにその素晴らしさを実感している。





00000189.JPG 
 
いまどきの多彩なフィルタで遊ぶこともできるが、このような高性能なカメラは、その本質を楽しむに限る。
やはり特筆すべきは、銀塩フィルムの仕上がりを再現したフィルムシミュレーションモード。
被写体によって使い分けるのも楽しい。
こういう自然なものについては、私が好んで使っていたのは初期設定となっている PROVIA。
 





00000196.JPG
 
多くの人が自然と感じる色合いで出力されて、癖や嫌味もなく万人に受け入れられることと思う。
 





00000191.JPG 
 
00000192.JPG 

Velvia は、鮮やかな色彩を強調したモードだが、ちょっときつくなる感じがした。
こういう無機質かつ派手な色の被写体だと、けっこう効果的に感じる。





00000190.JPG
 
00000193.JPG 
 
この X-Pro2 で加わった白黒フィルムの美しい陰影を再現した ACROS では、ちょっと歴史のある被写体を取ると雰囲気が増す。
自分の目で見たままの高画質で画像や動画が記録できる現代でも、モノクロ写真の需要というのは存在している。
いや、デジタルで手軽に画像が扱えるようになったからこそ、そういった楽しみも増えているのかもしれない。






00000195.JPG
 
00000194.JPG 

写真を撮るのがとにかく楽しい。
久しぶりに そのワクワクが強く感じられた。
 
 

では、いつもの偏見まみれの採点にいきましょう。
カメラ + レンズでのコンビネーションでの結果です。

性能;10点
少なくとも私のレベルであれば、これ以上何も不満はない。
通常の自然な色合い、モノクロでの陰影、美しいボケ具合、すべてがその場の空気を切り取ったような生々しさで画像となって表現できる。
何も考えなくてもそれなりに質のいい写真が得られるが、あとはこの性能を如何に引き出せるか腕次第というところか。
FUJIFILM の製品なだけに、「うまい人はよりうまく、そうでない人でもそれなりに...」(ちょっとアレンジしているがこのフレーズにピンとくる人は私と同じかそれ以上の世代ですね。)

機能;10点
多彩な機能が盛り込まれており、不足に感じるものが見当たらない。
場面や環境によって、レンジファインダ機としても、EVF機としても使えるし、もちろん背面モニタを使った一般的なデジカメとしても使える。
多彩なフィルタやフィルムシミュレーションも、自分の意図した画作りの助けになるだろう。

操作性;10点
絞り(この操作系だけはカメラ本体ではなくレンズ側に装備されているが、Auto の位置にしておけばカメラ前面のコントロールダイヤルで操作も可能)、シャッタースピード、ISO 感度、露出補正といった、撮影の基本となる使用頻度の高い機能がアナログなダイヤルで独立しているのがわかりやすいし使いやすい。
メニュー呼び出して階層を降りて...みたいなまどろっこしいことをしなくてすむので。
OVF と EVF の切り替えも前面レバーで切り替えやすいし、全ての操作系が撮る人の身になって考えられているように思う。

デザイン;9点
いくつかのアナログダイヤルが配置されたデザインは、一見すると銀塩カメラのよう。
そのすべてがしっかりとした剛性感、重厚感を持っていて、道具としての美しさがあふれている。
個人的には、ボディカラーは黒単一ではなく、ニコンDf やオリンパスPEN-F のように、シルバーとの組合せにするとさらにかっこよさが増すのではないかと思う。

コストパフォーマンス;6点
家電量販店での実製価格で、カメラ本体が 195,000円程度、フジノンレンズ XF35mmF2 R WR が 40,000円程度。
ボディ単体を私がなじみのあるキヤノン製品を例に比較すると、キヤノン APS-C 機フラッグシップの 7D mark II が実勢価格17万円くらいなので、X-Pro2 が FUJIFILM のフラッグシップ機とはいえ、ちょっと割高感はあるかなあ。
一方で、フジノンレンズ XF35mmF2 R WR の方は、この明るさの単焦点レンズがこの価格というのはすばらしい。
こちらはかなりお得感がある。
今回は、カメラ本体とレンズのコンビネーションでレビューしているので、この点数とした。

総合;45点
私がこれまでレビューを書いてきた製品の中で、最高得点となった。
私はいつも、こういう記事を書くにあたっては、あまり褒めちぎったことばかり書いても嘘くさいしステマと誤解されていも嫌なので、購入検討者に伝えておくべきネガティブなポイントを見つけるようにしているのだが、正直なコメントとして、そういう粗を見つけることができなかった。
何も考えなくても高画質な写真が撮れるし、いろいろとマニュアル設定をいじりながらも楽しい。
写真が趣味の人にとっては興味を惹かれる製品であるのは間違いないが、逆に写真にあまり興味がない人が手にとったら引き込まれて新しい趣味になるかもしれない。それくらいのインパクトはあると思う。
私が EOS 60D を購入した頃がちょうど初代 X-Pro が発売された頃だったので、いちおう選択肢として挙がったのだが、当時はまだ FUJIFILM カメラ用の X マウントのレンズが少なかったのと、予算的に少々無理があったということもあり、選考からもれた。
今はレンズのバリエーションも増えてきたし、魅力的なスペックのレンズも多くなってきているので、懐さえ許せば有力な選択肢となるだろう。
自分の財力に少し背伸びをしてでも欲しくなる、そんなカメラだ。
 


このレビューで使用されている商品はWillVii株式会社が運営するレビューサイト「みんぽす」 が無償で貸与しています。本レビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません。(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)レビュー商品無償貸し出しサービス 「モノフェローズ」に関する詳細はこちら
(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)


nice!(30)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 30

コメント 14

ふにゃいの

単焦点レンズ、しばらく使ってないです。
(視力が悪くなっちゃって思うように合わせられなくて^^;)
でもキレイですよね。
たまには使おうかなぁ…と思いました。
by ふにゃいの (2016-05-15 13:31) 

めぎ

この記事、楽しみにしていました。
流石フラグシップ機ですね~
ニコンのフラグシップ機は70万円ですからずいぶんお安いなあと思いましたが、DXのフラグシップは23万円ですから、まあそんなものでしょうか。
ニコンのFXクラスやDXでもいいものは、絞り、シャッタースピード、ISO 感度、露出補正などはメニュー呼び出しではなくダイヤル式ですが、このいかにもアナログなダイヤルは楽しいでしょうね。
写りの良さはやはりレンズにも大いに因ると思います。単焦点は、写りの深みが違うんですよねえ。
by めぎ (2016-05-15 17:51) 

YAP

ふにゃいのさん、めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。

ふにゃいのさん、
私は自分で単焦点を持っていないので、ひとつくらい欲しいんですよねえ。
けど、もし買うとしてどれくらいの画角のを買うのか。
広角好きとしては広角のを欲しいのですが、あまり多くないんですよね。

めぎさん、
言っても APS-C (ニコンだと DX のほうが通じますかね)ですから、フルサイズ機に比べれば、庶民の現実的な価格ではあります。
ニコンですと、Df がこれみたいな造りですね。
ハードダイヤルでの操作形を重視していますし、見た目もクラシックな感じですし。
キヤノンもそういうの出してくれないかなあ。

tochiさん、DorakenBeginnerさん、ネオ・アッキーさん、knackeさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2016-05-15 20:51) 

ナツパパ

ホントきれいな絵ですねえ。
富士の絵作りは定評がありますし、それを惜しみなく使って作り上げたカメラ
のように感じます。
そそられるなあ。
by ナツパパ (2016-05-16 08:16) 

kuwachan

フラッグシップモデルはやはりメーカーの力の入れ方が違うと思います。
カメラではありませんが、スキー板でもそうだと聞いたことがあります。
単焦点レンズ、面白いですよ。
私が持っているのはCanonのお得なレンズと言われている50mmですが、
ズームレンズとは全然違います。
by kuwachan (2016-05-16 09:04) 

リュカ

あー、今年は藤を見損ねちゃいました。

>写真を撮るのがとにかく楽しい

こういう感覚いいな♪♪
by リュカ (2016-05-16 10:00) 

aloha

さすがの高得点ですね。
唯一コスパの点が低めですが、本体価格が20万円弱かぁ。
コンデジしか使えない私には手が出ない価格です(^^;)
by aloha (2016-05-16 20:14) 

YAP

ナツパパさん、kuwachanさん、リュカさん、alohaさん、コメント & nice! ありがとうございます。

ナツパパさん、
きれいですよね。
記憶に残る景色の再現性という点で、ほんとに優れていると思います。

kuwachanさん、
メーカのプライドが感じられる製品でした。
単焦点いいなあ。
ほしくなってきました。

リュカさん、
道具を楽しく使えるのっていいですよね。
そういう楽しみを持ったものは、長く愛着を持って使えます。

alohaさん、
めぎさんのコメントを見たり、性能比を考えると、これでもかなりお得なのかもという気がしてきました。
なんでも趣味を突き詰めていくと、お金がかかります。

kiyoさん、シルフさん、コミックンさん、mentaikoさん、宝生富貴さん、モグラたたきさん、shingekiさん、dougakunenさん、nandenkandenさん、mangaharaさん、剛力ラブさん、banpeiyuさん、takayouさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2016-05-17 06:46) 

koyuki

高得点すごいですね!
それだけでX-Pro2が欲しくなりました。
その前にカメラの勉強をしなくてはいけませんね。
やりたい事がたくさんあるのになかなか時間がありません。汗
by koyuki (2016-05-18 00:41) 

YAP

koyukiさん、コメント & nice! ありがとうございます。
時間が足りないほどやりたいことがあるというのは、充実している証拠ですね。
次のカメラはぜひこちらを。

足立sunnyさん、U3さん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2016-05-18 07:56) 

orange

いつもお立ち寄り頂き有難うございます。
色がほんとうに綺麗ですね。
「うまい人はもっと上手に..」(笑) 私もフィルタ機能は殆ど使いません。最初は面白くて使いましたけど。
確かに外観デザインの何処かにシルバーカラーは、アクセントになりますね。
by orange (2016-05-18 09:33) 

YAP

orangeさん、コメント & nice! ありがとうございます。
発色がいいですよね。
いろいろな機能も、使っていくうちに必要なものは限られてきますよね。
by YAP (2016-05-19 07:11) 

ゆう

綺麗な写真ですね~。YAPさんの周りは時の流れがゆったりしていますね。羨望!!
by ゆう (2016-05-22 11:27) 

YAP

ゆうさん、コメント & nice! ありがとうございます。
いや、私はけっこう余裕のない慌しい日を送っています。
だからこそ、休みの日は意識してリラックスしようとしていますが...
難しいですね。
by YAP (2016-05-22 15:52) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0