初めてのフランス出張 シャルル・ド・ゴール空港 ターミナル1 [フランス出張]
空港には早く到着したので、まだ搭乗手続きが始まっていない。
それまで、カウンターが見渡せる場所のベンチに座って待つことに。
私の横には、毎年パリに旅行に来ているというおば様と、パリは数十年ぶりだというおば様が会話をされていた。
お互いはまったくの見知らぬ同士で、ベンチで横に座ったのをきっかけに声をかけてみたという感じのようで、盗み聞きするつもりはなかったが、ついつい聞き耳を立ててしまった。
毎年パリに来ているおば様(以下、おば様A)は、ご主人もリタイアした熟年のお金持ち風。
「毎年、どこへ行く?って相談になると、けっきょくパリになっちゃうのよねえ、オホホホー」ってな感じ。
対する数十年ぶりにパリに来たおば様(以下、おば様B)は、古い友人を訪ねてきたのだとか。
その中で、興味深い会話があった。(繰り返すが、決して盗み聞きする意図はなかったです。)
A「いつも主人とどこ行くか相談しても、けっきょくパリになっちゃうのよねえ。」
B「私はすごく久しぶりのパリだったけど、スリとか恐くて気持ちが休まらなくて。」
A「ああ、スリね。あれはダミーの財布を用意しておいて、何かされそうになったって気づいたときは、変に抵抗しないでそのダミーを渡してしまったほうが安全なのよ。」
B「それはいいかもしれませんが、それでも恐いですねえ。」
A「だけどね、彼らもあれを仕事にしているから仕方がないの。職業のひとつとしてそれを選んでやってるから、捕まっても反省しないし、彼らが生活するために必要な仕事なんだから、それもパリの中の一つだと認めないと。」
おば様Aは、いかにもパリ通みたいな口調で言っているが、いやいや、そこまで聞いてそれはおかしいでしょ、と思ったよ。
はあ?スリが仕事?
仕事というものは、どんな仕事であれ、それが誰かの役に立ってこそ仕事でしょ。
スリや引ったくりみたいな安易な考えで、被害にあった人の財産だけでなく気持ちにまで被害を与えるものは100%犯罪であり、絶対に仕事として認めちゃダメだよ。
犯罪なんだからそれは撲滅を目指さなければならず、その犯罪で生計を立てているとしている人を、社会の中できちんとした機会を与えて本当に生産能力を持った労働力にしなきゃ。
と、今回も前置きが長くなってしまったところで、本来の記事へ。
チェックインが始まった。
私は前日の夜にオンラインチェックインを済ませて、前方が開いている広い席の通路側を確保していたので、スーツケースを預けるだけ。
荷物を預けるときに、「お前は SFC の会員だから、プレミアム・エコノミーにアップグレードできるぞ」とうれしい言葉。
けど、真ん中ブロック四人掛け席の内側だったので、左右から人に挟まれたプレミアム・エコノミーより、足元が広い通路側のエコノミーのほうが快適そうだと思ったので、エコノミー席を維持した。
今回も私の海外渡航ジンクスどおり、初体験の空港 or ターミナルがあった。
シャルル・ド・ゴールは二度目の利用だが、以前はターミナル2の利用だったので、今回のターミナル1は初体験。
噂に聞いていた動く歩道の「チューブ」は、たしかに未来的な雰囲気、それも、私の世代が小学生だった頃に勝手に予想していた未来の世界のよう。
ただ、さすがに老朽化が進んでいるのは隠せない。
実は、ここで間違えて1フロア上の到着階まで行ってしまった。
一度外へ出て、また下から入り直し。
今度は無事に、スターアライアンスラウンジまでたどり着けた。
さすがフランス、デザインセンスに富んだ空間は、質実剛健が前面に出ているドイツのルフトハンザ系ラウンジとはずいぶんと趣きが異なる。
飲み物の他に、食べるものは乾きモノが多かった。
ずらりと並んだワインのボトルもフランスらしいが、これは展示用のオブジェ的なもの。
残念ながら、あまりミールは充実していない。
この、謎のヌードルもよくわからない味だった。
壁のプラグには、電源以外にUSBポートも。
このラウンジの難点は、手荷物検査の前のエリアにあること。
というか、手荷物検査が各ゲートそばにあるんだよね。
それを見込んで早めにゲートへと向かわなければならない。
さあ、いよいよ帰国です。
たしかにそれをYAPさんのおっしゃる意味での「仕事」と呼ぶのは抵抗がありますね。
同時にスリの人たちがそれで生きる糧を得ているのもたしかなことですね。そして、多くは働くチャンスももらえない層に属しているということも。
そんなことをしないでもすむような社会の仕組みを作らないと、最近次々と起こる様々な事件は無くならないかも知れません。
by めぎ (2015-01-14 21:32)
めぎさん、コメント & nice! ありがとうございます。
そういうことをしなければならない、生きていけない、そういう人をそのままにしている社会というのが問題の根本かもしれませんが、どんなに豊かな社会になっても他の人に危険を与えることをする人というのがなくならないのも事実だと思います。
貧しい人たちにドネーションをしている人が、同じ額をすられたときに「しょうがない、寄付したのと同じだよね」という気持ちでいられるのか?
「キレイゴト」といわれればそれまでですが、犯罪を撲滅する意志が社会全体に根付かなければ、いつまでもこういうことはあるんでしょうね。
tochiさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2015-01-15 08:00)
スリが仕事だったら、おれおれ詐欺も仕事になっちゃいますよねー。
そんなのだめだぁーーー!
ずらりと並んだワインのボトルに
おもわず「おおおおお?」と食い付きましたが、これは展示されてるだけなのですね。
残念(笑)
by リュカ (2015-01-15 10:41)
私も最近はいつもANAなのでターミナル1ばかりなのですが
昨年モロッコに行くときにエールフランスだったので初めてターミナル2行ったら、
明るいし、お店もいっぱいあってもその違いに愕然としました(笑)
その昔はターミナル1がメインだったのに、今はうらぶれた感じがします。
by kuwachan (2015-01-15 12:19)
ダミーの財布は聞いた事ありますが、犯罪を職業としてはダメでしょう!!
お金があるとは言え、その辺の感覚は狂ってはいけませんよね。
by フェイリン (2015-01-15 19:05)
ヨーロッパの空港は、チェックインが早くできない(から先にターミナルに行ってのんびりする事ができない)とか、ターミナルが決まるのが、出発時間のある程度前(ゆえに、ターミナルに早くいけないからお店が一杯並んだ所でぶらぶらする必要あり)、と言う事情で、少々不便ですよね。。。
せめてチェックインとゲートのアサインだけでもしてくれれば、ラウンジでも
もっとゆっくりできますのにね。
パリのスターアライアンスのラウンジで、ヌードルがあるのは驚きです。
by Zunko (2015-01-16 08:54)
チューブの歩道!! 初めて見たので新鮮です!!
確かに、昔、思い描いていた未来的センスかもしれませんが(^^;
これが街中に張り巡らされていたら♪ と考えてみたら、
ちょっと楽しい気持ちになりました(^_^)
by Amy (2015-01-16 14:06)
リュカさん、kuwachanさん、フェイリンさん、Zunkoさん、Amyさん、コメント & nice! ありがとうございます。
リュカさん、
どんな事情があれ、犯罪は犯罪だと思います。
拡大解釈をしてしまうと、極論すれば殺人やテロまでが正当化される懸念もあり、どこかで線を引くことはできません。
固いですかね?
kuwachanさん、
このターミナル1は、できた当初は斬新だったでしょうね。
ターミナル2は、この12年前に帰りの便で利用しましたが、明るく開放的だったのをおぼえています。
フェイリンさん、
やっぱりお金はそれなりに苦労して稼いでこそですよね。
人を傷つけて安易に稼ごうなんてのは、やはり許しがたいです。
Zunkoさん、
アメリカの空港はもっと早くチェックインできるのでしょうか?
セルフチェックインかな?
その国のキャリア、例えばこのときのケースだとエールフランスとかであれば早いチェックインもできたかもしれません。
私はANA便でしたので、カウンターも言ってみればその時間帯の間借りですから。
Amyさん、
昔の「未来」ですよね。
けど、そんな自分の幼少の頃の想像していた世界を思い出して、ちょっとワクワクしました。
nmzkさん、シルフさん、さらまわしさん、makimakiさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2015-01-16 16:09)
シャルルドゴール空港というと、このチューブを思い起こします。
ここは実際に乗ってみたい...
...けれど、やはりお年なんですかねえ、ちょっと古さも。
わたし、ミュンヘン空港で、荷物を持って行かれそうになりましたっけ。
あんまり堂々としていて気がつかなかった。
犯罪という意識がないか低いんでしょうね、きっと。
by ナツパパ (2015-01-17 10:30)
ナツパパさん、コメント & nice! ありがとうございます。
新しくて古い、そんな不思議な感覚のターミナルでした。
ミュンヘンでそんなヒヤリとした場面があったんですか。
ドイツは比較的治安はいいほうだとは思うのですが、それでもやはり外国ですので注意が必要ですね。
utaさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2015-01-17 16:43)
帰国の途につく直前のややホッとする時間ですね。そして何より素敵なラウンジ^^
不思議なヌードルはスープパスタにも見えるし、そうめん?にも見えたり@@;YAPさんのフライト前、しっかりと召し上がるな~と毎度思います。
スリが仕事。
それは論外ですね。
でもそういった恐怖を持つことになる旅人は自分で自分の身や財布を守る対策は年齢いくつになっても出来ないとなりませんね。
しっかりしなくちゃだわ。
by ake_i (2015-01-18 17:39)
ake_iさん、コメント & nice! ありがとうございます。
ここのスターアライアンスラウンジは、なかなかセンス溢れる空間でした。
難を言えば、窓から飛行機が見えないくらいですかね。
異国へ行くときは、それなりの用心は必要ですね。
by YAP (2015-01-18 18:23)