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Navajo Nation [アメリカ旅行]

<グランドサークル爆走記 Day4>

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モニュメント・バレー・ナバホ・トライバル・パークは、ナバホ先住民居留地の中にある。




 

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みやげ物であふれているビジターセンターの売店。

ここの地下フロアに、ナバホ族に関するちょっとした資料展示がある。

先住民居留地は、ヨーロッパからアメリカ大陸へと侵略した白人が東から西へと勢力を拡大していく中で、先住民を特定のエリアに強制移住させたことから始まっている。
アメリカの西部劇では白人の西部開拓を阻止しようとする敵役で表現されることが多い先住民だが、実際は白人の圧倒的な武力の前に長い間住み慣れてきた土地を奪われていった。

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先住民居留地はアメリカ西部を中心に点在しているが、その中でもニューメキシコ、ユタ、アリゾナにまたがるナバホ族の居留地は最大規模。
上の写真で、濃い茶色のエリアが1868年に最初に居留地に指定されたエリアで、現在は薄い茶色の範囲まで広がっているとともに、その中の一部にホピ族の居留地(薄い肌色エリア)を含んでいる。





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このナバホ居留地は、「ナバホ・ネイション」としてアメリカから独立した一定の自治権を与えられている。
上の写真右半分の左側の写真の人が、現在の大統領。

独立した自治権を与えられていることで独自の法律も制定されているが、我々旅行者が最も気をつけておかないといけないのは、「アルコール禁止」ということ。
レストランやガソリンスタンド等では販売していないし、エリア内での飲酒はもちろんのこと持ち込むことさえ禁止されている。
たまに、この辺りに旅行した人のブログで、「アルコールは販売していないので、事前に買って行くことをお勧めします」みたいなことが書かれていたりするが、これは完全にアウトで、見つかると処罰の対象となる。





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観光と装飾品の製造・販売が主な産業として、この「国」の経済を支えている。





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最近は、天然資源の開発もしているようだが、美しい景観を守ることとうまく両立させていってほしい。





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白人に虐げられていた先住民だが、二度の世界大戦では「コードトーカー」として重用された。
傍受される可能性のある無線交信で、敵対国が理解することができない彼らの部族語が使われたわけだ。



アメリカ先住民のことを学ぶほど、その歴史がつらくなる。
せめて一観光客としていくらか貢献しなければと、このエリアに来るたびに考える。

今もナバホ居留地内では、昔ながらの生活を送る先住民の人たちも多い。
一方で、都市部へ移住して現代の生活を手に入れようとする若者も少なくないらしい。
どちらが幸せな生活かというのは人それぞれの価値観もあるので一概に語ることはできないが、自然とともに生き続ける先住民の人たちの世界は大切に守っていかなければならないと感じる。


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コメント 14

kumako

ビジターセンターの売店の窓が、まるで絵画のように見えました。
売られているのは、人形と・・・壺でしょうか?





by kumako (2014-08-10 23:44) 

めぎ

先住民のことといえば、先日北海道に行ったときうちのドイツ人にアイヌのことを色々聞かれたんですが、恥ずかしながらほとんど分からなくてですねえ。
日本にも同じような歴史があるのですよね。
by めぎ (2014-08-11 01:34) 

リュカ

天然資源の開発と、美しい景観の維持。
これってなかなか両立できず難しいけど、でもきっとどちらも大事だから何とか頑張ってもらいたいですね。

歴史は勝者のものだって、またしみじみ感じちゃいました。
by リュカ (2014-08-11 10:46) 

YAP

kumakoさん、めぎさん、リュカさん、コメント & nice! ありがとうございます。

kumakoさん、
ビジターセンターからの写真は、狙って撮りました。
というか、造った側もこれを狙ってデザインしていると思います。
いろいろな民芸品が売られていますが、写真に写っているのは人形と壷です。ご名答です。

めぎさん、
北欧や北米や、そして北海道や、北のほうにこういう歴史は多いですね。
私も北海道へ行ったとき、アイヌのことをいろいろ知りました。

リュカさん、
「歴史は勝者のもの」か、重い、けどそれが現実を表しているのでしょう。
アメリカはその典型ですね。

tochiさん、ちんくろ2級さん、makimakiさん、kaymさん、nmzkさん、knackeさん、nice! ありがとうございます。

by YAP (2014-08-11 12:06) 

kuwachan

西部開拓の歴史は先住民への侵略の歴史でもあるのですね。それはアメリカに限らずですが。
恥ずかしながら、現在では一定の自治権が与えられているとは初めて知りました。
by kuwachan (2014-08-11 12:09) 

aloha

「コードトーカー」のお話、興味深かったです。
言語という大事な文化の基本を、
戦争に利用されたというのも悲しい話ですね。
by aloha (2014-08-11 12:27) 

ナツパパ

自治を認められるのは良いこと、と思います。
異質であることをお互い認めることは大切と思いますので。
同化政策で失敗したのは、戦前の日本がそうでしたね。
by ナツパパ (2014-08-11 17:28) 

YAP

kuwachanさん、alohaさん、ナツパパさん、コメント & nice! ありがとうございます。

kuwachanさん、
アメリカ先住民の歴史に興味を持っている私は何冊か本も読んで勉強していますが、知れば知るほどに複雑で根が深いし、いろいろな側面もあり、こういう場所ではとてもではないですが、ほんの一部しか紹介することができません。
ただ、こういう自治独立をしている人たちがいるというのは多くの人に知ってもらいたいと思いました。

alohaさん、
コードトーカーの話は皮肉なものです。
彼らの言語が、「コード(暗号)」として扱われたわけですから。

ナツパパさん、
この自治権を得るためにもそれはそれはいろいろな苦労があったようです。
今は先住民族でも都会に移り住む人も増えているようで、多様化とともに文化の継承も今後の課題のようです。

sora_pさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-08-11 21:29) 

hideyuki2007y

映画「未知との遭遇」でこんな形の丘が出てきました。そこでUFOと遭遇するストーリーだったと思います。一つ一つが相当大きい山だったのですね。
by hideyuki2007y (2014-08-13 11:17) 

YAP

hideyuki2007yさん、コメント & nice! ありがとうございます。
スケールが自分の頭の中で知っているものとはまったく違うので、驚くばかりです。
西部劇だけでなく、SFでもけっこう使われていますよね。

One-for-youさん、nice! ありがとうございます。
by YAP (2014-08-14 15:46) 

ake_i

この記事を読んで思いました。YAPさんは、そもそもこの旅行にこの地を選んだ動機は何でしょう。
何か、血の流れのようなものを感じました。
私は、以前にハンガリーの首都でない町で仕事をしたときの打ち上げで、日本語の通じないところで・・・・
ここは私の先祖がいたか?もしくは、私の前世はここの土地の人間ではなかったのか?と思ったことがあります。
その後何度か同じ町に行きましたが、いずれも感じたことは同じでした。
何ともここでは説明がつきませんが、人が旅をする場所を選ぶとき、何かの動機があるのですが、異国である場合に特に特別な何か?を感じます。
by ake_i (2014-08-16 21:09) 

YAP

ake_iさん、コメント & nice! ありがとうございます。
私の思い入れに気づいてしまいましたか?
ake_iさんとのブログのお付き合いが始まるずいぶん前に、実はこんな記事を書いていました。
http://yap.blog.so-net.ne.jp/2009-04-17
アメリカ先住民のルーツはモンゴロイド系とも言われているので、もしかして、私もその血を引いているのではないかと勝手に思い込んでいます。
それだけに、白人に迫害された悲しい歴史は少しばかりですが本を読んで勉強もしています。
先住民文化と大自然の風景は、私のアメリカ旅行では欠かせません。
by YAP (2014-08-16 21:30) 

koyuki

恥ずかしい話しながら、北海道のアイヌについて、学校で習ったことはあるはずですが、全然覚えていません。
まずは身近な所から学んでいかないといけませんね。汗
ビジターセンターのお土産屋さんの景色が本当に素晴らしいです。
by koyuki (2014-08-16 21:43) 

YAP

koyukiさん、コメント & nice! ありがとうございます。
ただいまkoyukiさんともほぼリアルタイムですね。
おかげさまで、私のブログが賑わってくれているようです。
日本にもあるんですよね、開拓の言葉の裏で土地を追われた人たちがいたという事実が。
現代に生きる私たちが学ばなければいけないことは、多いと思います。
by YAP (2014-08-16 21:50) 

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